この秋冬、おしゃれ女子の間で、最注目のアイテムがガウチョパンツだ。裾にかけて広がった主に七分丈のパンツのことで、着心地もラクでありながら、スタイリッシュな着こなしができそう、ということから大人気となっている。
メジャーなセレクトショップから、格安ブランドまで、幅広いブランドが手掛けていて、女子なら1本は持っていたいアイテムの一つ。女性向けファッション誌では毎号のように特集されているほとだ。
ところが、である。これだけの人気高いのに、男子からの評判はいまいちぱっとしないのだ。実際、聞いてみると…、
「どこがおしゃれがわからない。太って見えません?」(23才・大学生)
「なんかおばさんくさく見える。おばあちゃんのもんぺを思い出した」(34才・会社員)
とさんざん。“女子がいいと思ってるほど、男子はいいと思っていない”という評価がけっこう多いのだ。
もちろん、「自分が着たいものを着ているだけ。男子目線はあまり関係ない」という女性もいるだろうし、女性のファッションはそもそも男性にウケるためのものじゃない、という意見はもっともだ。だが、ガウチョパンツに関しては、どうしても男女の意識の違いがあるようだ。この違い、いったいどこからくるのか?
駒沢女子大学人間関係学科(心理学)教授の富田隆さんはこう分析する。
「結局、男性は、きれいな曲線や、豊かな肉付きだとか、そういうものを感じさせるファッションが好きなわけです。それは歴史的に例を見ても明らかです。
19世紀くらいの西洋の服装だと、パーティーに列席する際の服は、スカートは体の線なんて一切見せない、ふっくらしていて、お姫様のような装いですよね。でも、肩の線とか胸の線とかは、逆に強調して見せている。当時の男性はそこに魅力を感じていたのです。
ガウチョパンツの場合、秋冬の着こなしだと、上も下も全部、体の線がわからない状態になってしまう。それが男性にはいまいちウケが悪い理由でしょうね」
結局は、ガウチョパンツだから男子にウケないということではなく、ガウチョパンツの着こなしにかかっているようだ。
おしゃれかどうかはともかく、「男性ウケをよくしたい」ということなら、「ウエストの細さが強調されるような形で、上手にウエストを締めたり、タイトな感じのトップスを着たり、体のラインを出すことを少し意識する」(富田氏)着こなしがポイントだそうだ。
ネットで検索すると、ガウチョパンツの着こなしを提案するサイトがずらりと出てくる。「低身長でも似合う着こなし」とか「デートでの着こなし」とか、さまざまなコーデ術が掲載されている。それだけ、女子もガウチョパンツの着こなしに悩んでいるということかも。