日本人の1日の塩分摂取量は男性で11.3g、女性で9.6gと国際比較でも多い。減塩先進国のイギリスでは、加工商品の減塩も進み、2025年までに1日の総摂取量を3gにまで引き下げる予定だ。
脳卒中死亡率が全国ワースト1位、さらに1日平均の食塩摂取量が男女ともに1位となってしまったことから、食生活の改善運動を本格化させたのが、食塩摂取量の平均値が男性で12.9g、女性で11.1gの岩手県。
まずは、毎月28日を「いわて減塩・適塩の日」とし、食品スーパーなどの協力で減塩・適塩メニューの試食や提案する献立表などを配布。
また、健康づくりイベントを実施するほか、長寿県・長野にならって食生活改善推進員が各家庭に塩分測定器を持って訪問する「突撃!隣のお味噌汁」調査なども行っている。
米どころ新潟県では、雪深い地域が多いため郷土料理や特産品に魚介などを使った塩蔵品や加工品が多く、男性平均が11.7g、女性は10.0gと塩分摂取量が高かった。そこで1960年代より減塩運動を開始し、2009年度からは現代の食環境に応じた「にいがた減塩ルネサンス運動」をスタート。
地元の飲食店、スーパーなどとの連携・恊働で、新潟の食材・調味料などを利用した減塩レシピなどを考案し、10年間で食塩2g減少、野菜2皿増加、果物1皿増加をめざしている。
岩手県についで、食塩摂取量が男女とも全国2位の長野県。塩魚や漬物を食べることが多いからだが、一方で長寿日本一の県でもある。それは、1980年代から取り組み始めた減塩活動で、食生活改善推進員が家庭訪問等により、うす味の工夫や漬物に代わる野菜料理を普及してきたことなどから。
また、長野県栄養士会でも学校給食のレシピを家庭用にアレンジした減塩レシピ本を発刊するなどの取り組みを行っている。
※女性セブン2015年10月8日号