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40才以上の5%がかかる緑内障 進行するまで自覚症状なし

 私たちは情報の多くを“目”から取り込んでいる。その目が、もし見えなくなったとしたら…。厚生労働省の研究資料によると、わが国の失明原因第1位は緑内障。しかも、この病気にかかる率は意外と高く、日本緑内障学会の調査で40才以上の20人に1人が有病者という結果が出ている。決して他人事ではないのだ。

 では、緑内障とはいったいどんな病気なのだろう。緑内障専門医で、先の調査研究メンバーでもある東中野とみどころ眼科院長の富所敦男さんはこう話す。

「簡単にいうと、目と脳をつなぐ『視神経』に障害が起こり、視野が徐々に狭まる病気です。視神経は通常、100万本くらいの線維の束になっているのですが、その線維が減っていき、減った部分はものが見えづらくなります」(富所さん、以下「」内同)

 眼圧が高くなるほど、「視神経乳頭」という部分に圧力がかかり、神経線維が傷つきやすくなるそうだ。急激に圧力が高くなれば、2~3か月でほとんど目が見えなくなることもあるという。

「緑内障は、いくつかの種類に分かれています。目の構造上の問題で眼圧が高くなるケースもあれば、病気やけがなどで目の中に異変が起きて眼圧が高くなり、緑内障になるケースもあります。前者は、手術やレーザーによる切開などで予防が可能です」

 ただし、眼圧が正常レベルでも緑内障にかかるとのこと。

「『正常眼圧緑内障』というのですが、むしろこのタイプの人がいちばん多いです。進行はゆっくりで、見える範囲が少しずつ減っていきます。進行を遅らせる目薬を使って治療するのが主流です。問題は、どのタイプであれ、一度失った視野は回復しないことです。また、治療をしないまま放置すれば、失明につながる恐れがあります」

 そうならないために、何に気をつければよいのだろうか。

「かなり進行するまで自覚症状のない人が多い病気です。そのため、ある程度の年齢になったら検診を受けることが大事になります。眼圧計測だけでは発見できない場合もあるので、一緒に眼底検査も受けることをおすすめします」

※女性セブン2015年10月8日号

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