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若者旅行は意識高い系にシフト ラオスで象使い体験等が人気

ラオスで象使い国家資格をとる旅が若者に人気

 若者の海外旅行離れがすすんでいると言われる。20代の出国者数をみると第2次ベビーブーム世代が20代だった1996年をピークに人口減少以上のペースで減り続けているが、一方で印象的な日本人の若者に旅先で出会うことが増えたという声も最近は多い。この落差についてゲストハウスジャーナリストで『Japan Backpackers Link』代表の向井通浩さんは、本屋B&Bイベント『そろそろ、歴代の旅本について語ろうじゃないか?』の壇上で「若者たちの旅する姿勢が変化したから」と語った。

「最近の若者の旅には目的があります。ボランティアや海外インターンシップを兼ねる人も多く、同じバックパッカースタイルでもかつてとは中身が違ってきているんです。将来のために役立つ旅をしたいという、就活向け意識高い系なんですね。就職活動に役立てたいというだけでなく、旅をした経験を生かして起業した人も少なくありません」

 かつて若者の旅といえば、古くは小田実の『何でもみてやろう』、1980年代以降は沢木耕太郎の『深夜特急』などに影響され、旅することそのものが目的のようなものだった。ところが、就職氷河期が顕著になったころから旅する若者たちの様子が変わり始めた。

 バブル崩壊後、新卒の就職状況は悪化するばかりだった。2003年の大卒就職率は52.6%まで落ち込み、少し好転したがリーマンショックの影響を受け2010年には再び56.4%を記録した(文部科学省調べ)。同じ時期、就職希望学生の中で目立つためグループ面接時にバックパッカースタイルでの世界一周旅の経験をアピールすることが流行した。この世界一周ブームはあっという間に大学生の間に広まり、企業の人事担当から「また世界一周か」という声が漏れたほどだ。

「面接官から“単なる世界一周旅”が飽きられているなと学生たちが気づいて次の何かを探していたところに、元意識高い系学生たちが起業したトリッピースが企画する、ラオスで象使い国家資格が取れるツアーが始まりました。同じ海外での経験をアピールするなら、面接官の目を引きやすいもののほうがいい。しかも国家資格だから履歴書に書けます。このツアーは評判を集め開催されるたび応募が殺到し、トリッピースが注目され旅行企画会社として認知されて、起業から軌道にのるきっかけとなりました」(前出・向井さん)

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