本誌前号の「誰にも言えないけど、あなた、『孫疲れ』しませんか?」の記事が大反響を呼んでいる。孫の世話を押しつけられて疲れ切ってしまう「孫疲れ」が密かに蔓延しているという内容に、編集部には祖父母世代からの電話が相次いだ。
「よくいってくれた!」「自分だけじゃないとわかってホッとした」といった共感の声に混じり、意外なほど多かったのが「自分の苦労はあんなもんじゃない!」「ポストは甘い」というお叱りの声。逆に「孫疲れなんてない」という反論はほぼ皆無であった。
なかでもシニアの不満が集中しているのが、「金銭面での負担」である。元会社員の男性(66歳)がため息まじりにこう嘆く。
「娘家族と息子家族がしょっちゅう遊びにやってくる。“遊びに”というと聞こえはいいが、実態は“たかり”に近い。節約のために家内が『ばーばがご飯作るから』というと、孫たちは『え~、外食がいい』。それも『回らないお寿司』だの『食べ放題じゃない焼き肉』だの、親に入れ知恵されたとしか思えない要求ばかり。
最初のうちはリクエストに応じていたが、1回数万円の出費で年金生活は一発で大赤字。以後はファミレスやショッピングセンターのフードコートでお茶を濁しているが、娘も息子の嫁も『明日のお弁当のオカズにするわ』とテイクアウトまでしていくので、支払いは軽く1万円を超える。こっちは蓄えていた老後資金を取り崩す日々です」
※週刊ポスト2015年11月6日号