世界一有名な探偵、シャーロック・ホームズを現代に蘇らせたイギリスのドラマ『SHERLOCK/シャーロック』(BBC制作)。21世紀のロンドンを舞台に、スマートフォンやインターネットを駆使しながら事件を解決するホームズを描いた同作は、原作のストーリーを織り交ぜながらも、オリジナルの世界観を作り上げている。すでに「シーズン1」から「シーズン3」までが放映されており、ヨーロッパのみならず日本や中国などのアジア圏でも多くのファンを獲得している人気作品だ。
そんな『シャーロック』人気の支持基盤のひとつとして注目されているのが、世界中の「腐女子」たち。ロンドンのタウン誌『Time Out London』(2月11日/17日号の記事)では、「ロンドンのトップ10カップル」の第1位に、ホームズとワトソンのカップルが選ばれている。
なかには『シャーロック』をきっかけに“腐女子デビュー“したという女性もいる。Aさん(30歳・NPO職員)は、自身が腐女子化した経緯についてこう語る。
「ドラマを見る前はまったく腐女子ではなく、もともとは原作を愛読していた純粋な“シャーロキアン”(シャーロック・ホームズの熱狂的なファンのこと)でした。職場の同僚に勧められてこの作品を観たら、なんとホームズがワトソン博士のことを『ジョン』と呼んでいるじゃありませんか!
ドラマのなかのセリフにも、『僕はゲイじゃない』というセリフが出てきたり、周囲からゲイカップルとして扱われるシーンがたくさんあったりと、まさに“腐女子ホイホイ”なんです」(Aさん)
別の腐女子のBさん(28歳・事務職)も、『シャーロック』を見て“萌えている”という一人だ。
「腐女子のあいだでは、『シャーロック』の二次創作が世界中で作られていることは有名な話です。海外では、こうした二次創作モノを『Slash Story』と言います。人気のカップリングは、“シャロジョン”(シャーロック×ジョン)、“ジョンシャロ”(ジョン×シャーロック)のほか、ホームズの宿敵・モリアーティとの愛を描いた“シャロモリ”などですね」(Bさん)
2016年1月1日には、英BBCと米PBSで特番として新作が公開されるという『シャーロック』。新作では、原作を踏襲し、19世紀末、ヴィクトリア調のロンドンに舞台を移してシャーロックとワトソンの活躍を描くという。来春に撮影スタートする「シーズン4」への期待とあわせて、腐女子を含めた世界中のシャーロックファンが盛り上がりを見せそうだ。