スポーツ

角居勝彦調教師「GIの3分の1占める1600m戦は競馬の基本」

 マイル戦(1600メートル)は馬の適性がもっとも顕われる距離だ。角居厩舎では2005年に通算8勝の牝馬・ハットトリックが勝っている。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」より、マイル戦がどれほど競馬の基本となっているかについて、角居氏が語る。

 * * *
 マイルCSに続いて香港マイルまで勝ってくれたハットトリックは、角居厩舎が初めて手がけたサンデーサイレンス産駒でした。貴重なサンデーサイレンス産駒が開業当初の厩舎に身を寄せてくれたことは僥倖でした。キャロット(クラブ法人)初の重賞勝ち馬でもあります。

 デビューは少し遅くて3歳の5月。3戦(2勝)後、うちに転厩してきました。条件戦を連勝してオープン入りし、2005年の京都金杯、東京新聞杯まで4連勝しました。勢いを駆り、4月のマイラーズC(9着)をはさんで安田記念に挑戦。これはさすがに敵いませんでした(15着)。しかし勝ち馬との着差は1秒ジャスト。しっかりと夏を越せば逆転できると確信しました。

 秋の天皇賞で7着と善戦後、マイルCSに挑戦。後方12番手から決めた直線一気は鮮烈でした。2着はGI5勝のダイワメジャーですから、強い競馬でした。

 ただ、その後はなかなか勝てなかった。今にして思えば、調教技術が追いつかなかったのでしょう。背中がしっかりしてきてパワーが増してくると、故障のリスクも上がります。上体の成長に比べて、脚はそれほど強くないからです。それを恐れるあまり、遠慮がちの調教になっていたのかもしれません。

「ちょっとぬるくない? 力が付いてきてるんだから、もっと厳しく追ってくれてもいいのに」

 そんなことを感じていたのかもしれませんね。引退後は海外で種牡馬生活を送り、多くの活躍馬を出しています。

関連キーワード

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン