配偶者や元交際相手がストーカー化し身に危険が迫った時、警察にすぐ動いてもらうため、知っておくべきことがある。言葉で訴えるだけでは情報不足。客観的に判断できる証拠を集めることが大事だ。その証拠の集め方は以下のとおり。
●通信記録を残し取り寄せる
「携帯への着信は、通話状態にならないと記録に残りません。留守録に切り替わるように設定して」(弁護士・金秀香さん)
通信記録は、携帯会社によって異なるが3~6か月で消去されてしまうので、定期的に取り寄せておくこと。
●スクリーンショットで保存
すぐに留守録に切り替わると仕事などで支障がある場合は、着信画面をスクリーンショットで撮っておくとよい。メールの文面も同様に、スクリーンショットで保存できる。
●録音機能を利用する
話し合い時や、家に押し掛けてきた時など、スマホの録音機能やレコーダーを利用して声を録っておく。
●日記につける
「待ち伏せや押し掛け、無言電話などは、写真や録音で証拠に残しにくいもの。とっさの出来事で証拠に残せなかったものは日記に残しておいてください。それも証拠になります」(金さん)
この際、日付、時間帯、何があったか、なるべく詳しく記しておくこと!
●多くの第三者に相談する
警察、弁護士、医師、会社など多くの人に相談しておくことも証拠づくりに役立つ。
「裁判などの際、証人にもなります。けがをした場合は、診断書にけがの原因や日時なども書かれます。どんなに小さなけがでも診断書を取っておきましょう」(金さん)
弁護士や医師のような国家資格保持者や行政機関は、証拠や証人として強い力を持つ。
●とにかく何でも取っておく
メールや写真、FAX、プレゼントなど、加害者から送られてきたものは気持ち悪いからと捨ててしまいがち。
「手元にあるのがいやなら、第三者に委ねるなどし、必ず保管を」(金さん)
重大犯罪を未然に防ぐために作られたストーカー規制法だが、意外な落とし穴も。
「規制法では、メールを連続して送ってきたらストーカーと認められるとありますが、何通からが当てはまるのかは警察の判断次第」(金さん)
また、ツイッターやSNSは、メールとして扱われない。「会ってくれなきゃ死ぬ」と、リストカットしている写真をアップしたり、ツイッターで、「あいつは売女だ」などと誹謗中傷を書き込んでもストーカー行為とは見なされないのだ。
「しかしこれらは、脅迫罪や名誉毀損にあたります。『別れるなら自分も死んでお前も殺す』と暴力を振るった場合は傷害罪になり、逮捕できる可能性があります」(金さん)
このように、ストーカー行為ではなく、別の違法行為として逮捕できるケースもある。だからこそ、ひとりで悩まず、早い段階からプロに相談することが大切。あなたを救う手はたくさん差し伸べられているのだ。
※女性セブン2015年12月3日号