繁華街を歩くと「ビデオ鑑賞」「DVD見放題」といった看板を目にしたことのある人は多いだろう。関東中心の大手チェーンは新宿に8店舗も展開しているほどで、ここ数年、サラリーマンを中心にじわじわと人気を集めている。
個室ビデオというと何かフーゾクのようなサービスをイメージしがちだが、実態はどうなのか。未体験の本誌記者(58)が利用してみた。
都内でも有数の繁華街を抱えるターミナル駅に着いたのは平日の午後8時過ぎ。ネットで下調べしておいた店舗は派手な電飾看板ですぐに見つかった。
繁華街にあるとはいっても、入り口が人通りの多い道路に面していないので、人目を気にせずに済む。地下1階の入り口を通ると、明るい照明と黒を基調とした内装の店内が広がる。
DVDを並べた棚が所狭しと置かれていて、一見すると地元で利用するレンタルビデオ店と変わらないが、並んでいるのはアダルトばかり。ざっと見渡して数千タイトルはあるだろうか。
「人妻」「素人」「熟女」などのジャンル分けがされている中で、最も大きな棚の「最新作」コーナーには10人ほどの男性が群がっていた。
下は30代から上は60代くらい。やはり背広姿が多いことから、会社帰りのサラリーマンが自由なひと時を求めて来ていることがわかる。皆、他人の様子を気にすることなく真剣な顔で物色している。
記者は「熟女」コーナーを中心に好みの作品を選んでいった。一度に6枚借りられ、1時間650円(2時間1050円、3時間1600円)。時間内であれば何本でも交換できて見放題というので、長めの3時間を選んでカウンターで料金を支払う。
店員の胸から上の部分は棚で隠れているので、目を合わせなくていいように設計されている。ネットカフェと違って会員登録は必要なく、身分証の提示は求められなかった。入会金もなく、利用した分しか料金は掛からないようになっているため明朗会計で安心だ。
案内された部屋は3畳ほどの広さで、清掃が行き届いていてゴミやホコリは見当たらない。壁紙やリクライニングマットの破れもなく、嫌な臭いもしないのでなかなか快適だ。エアコンも部屋ごとに設置されていて室温調整が自由にできるのもいい。
AV以外にも新作映画やTVドラマの人気DVD、コミックマンガや写真集、成年コミックなども見放題、テレビのBS・CS放送も視聴可能なので、AV以外で時間をつぶすこともできる。
※週刊ポスト2015年11月27日・12月4日号