昔ワルかった人ほど、年をとったら丸くなってしまう…なんてことはよくある話。東京都在住のパート勤務の女性Wさん(45才)は元ヤン。地方公務員の夫も同じく元ヤンなのだが、その夫が泣き上戸になってしまったのだという。
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子供の教育上、隠しているけど、ダンナと私は元ヤン。地元に帰ると、いまだに私を「姐さん」と呼ぶ後輩がいるから、帰省してもうっかり外を歩けない。それはダンナも同じで、お正月は半月ズラして帰省。で、それが困るんだよね。
暮れからお正月の間、ずーっと家にいて、テレビの前から離れず、夕方になるとちびちびとビールを飲むのが、ここ数年のダンナの楽しみなのね。
飲み始めは、私たちの分もおかずを作ってくれて上機嫌この上ない。それが小1時間たつと無口になって、2時間後には目を潤ませ、3時間後には「うっ、だろうな。うう~ッ。そうだよなぁ~」と泣き出すの。
お笑い番組を見ながら、「こいつらだって苦労してるんだよ。オレにはわかる。わかるさ~。うえ~ん」
なんにでも感情移入できるのは、「ある意味、すごい」と娘は言うんだけどさ。先日は、「街はクリスマスのイルミネーションに彩られて」というテレビニュースで、すでに「ああ、ほんとにきれいだよな。ああ、ああ」って。
元ヤンのなれの果てが、泣き上戸ってか? かんべんしてよ。
街中がキラキラするクリスマスから年末年始にかけて、中高年夫婦は最大のピンチを迎える。マッハの速さでお金は消えていくのに、お正月はどうするか、なんて聞くから妻の眉間のしわは深くなるばかり。ああ、それにつけても金の欲しさよ、年の暮れ。
※女性セブン2015年12月24日号