モノ作り大国ドイツを中心に広がっているのが「インダストリー4.0」。これは、工業のあらゆる部分をデジタル化することによって、製造業を根底から革新し、製造コストを大幅に削減しようという試みだ。
「第4次産業革命ともいわれるこうした流れの中でも、日本は世界をリードする存在です」
そう語るのは日経CNBCコメンテーターを務める、ケイ・アセット代表の平野憲一氏。
「少子化を補うためのロボット技術、モノとインターネットをつなぐIoTと呼ばれる技術、人工知能(AI)や自動運転など、日本の研究開発は第4次産業革命の先頭を走っています。日本にはこうした新技術がたくさんあるんです」(同前)
そんな平野氏が推す銘柄は何か。
「電子上でモノを売ったり買ったりする『eコマース』サービスに注目しています。たとえばネットやメールを使って顧客とのコミュニケーションを深めるソフトを開発したエイジアは、その技術をネット上の商取引での顧客開拓などにも活かしています。
自動車の自動運転関連で期待されるのがJVCケンウッド。電子ミラーやフロントガラスに様々な情報を表示して、運転の手助けをする技術の開発で注目されています」
ロボット技術といえば日本のお家芸。カブ知恵代表の藤井英敏氏が注目のロボット企業を解説する。
「まずはジグソー。人工知能による次世代ロボットのコントロール技術などで注目度の高い企業です。
空飛ぶロボットともいえるドローン技術も今後様々な分野での利用が期待されており、注目すべき分野です。日本アビオニクスはドローンや災害用ロボットなどの無人機に搭載される小型で軽量の赤外線サーモグラフィーなどを作っています」
いずれもこれからさらなる成長が期待される企業。中長期的な利益を狙える銘柄である。
※週刊ポスト2016年2月5日号