芸能

映画『信長協奏曲』 秀吉を演じる山田孝之の「暗黒」が見所

『信長協奏曲』は小栗旬が主演。映画版の見所は?

 1月23日に公開スタートした映画『信長協奏曲(のぶながコンツェエルト)』。公開から2日間の興行収入&観客動員数で1位を獲得。小栗旬を主演に、月9ドラマ史上初の時代劇として話題を集めた作品はスケールアップした劇場版でも注目を集めている。「本能寺の変」が描かれる劇場版はいったいどんな作品になっているのか? 時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが見所を解説する。

 * * *
 そんなわけで、やっとのこと結末が映画で公開された『信長協奏曲』。ドラマ版では、突然、戦国時代にタイムスリップした高校生サブロー(小栗旬)が、自分のうりふたつの織田信長に遭遇。病弱な自分に替わって信長として生きてくれと頼まれる。そんな大事をほいほい引き受けるサブローの能天気さにはびっくりだが、信長として屋敷に帰ってみると、そこには生真面目男の池田恒興(向井理)や髭ヅラの熱血男柴田勝家(高嶋政宏)ら織田の家臣団や妻の帰蝶(柴咲コウ)までずらりと揃っていて、二度びっくり。

 とりあえず、どっかり殿様席に座ったものの、「え、マジで?」などと武将としての常識も風格もゼロのサブローは、帰蝶に「うつけ」と呼ばれる始末。しかし、血みどろの戦いを経ても「やっぱ平和が一番でしょ」などと戦国の常識にとらわれないサブローは不思議に家臣たちをまとめ、快進撃を続けて行く。

 映画版では、いよいよ信長が明智光秀に急襲される「本能寺の変」が描かれる。ポイントは頭巾で顏を隠した光秀が実は本物の信長ということ。光秀は家臣や妻の心をつかむ偽物を憎んでいる。ということは、本物が偽物を抹殺する流れですね、と納得しかかったそこの人! それだけじゃありません!

 日本史最大のミステリーともいわれる光秀の反逆とともに、ドラマで氷点下の冷たさを漂わせていたあの羽柴秀吉(山田孝之)の不穏な動きに注目せねば。信長に肉親を殺された過去を持ち、憎しみを募らせる秀吉は、気が付くといつも日影にいて、顏の半分は真っ暗という見た目も暗黒男。戦の勝利でみんながわっはっは!と明るく笑っているときでも、秀吉のところだけ薄暗く、逆スポットライトが当たっているようなのである。

関連記事

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン