自分が死ぬなんてまだまだ先のことだと思っていたら、ある日突然あの世行き──死への準備ができないままに人生を断たれる「突然死」は、自分自身にとっても、残された家族にとっても悲惨な死に方だ。突然死のリスクを避ける生活習慣を専門医に聞いた。
●朝、目覚ましが鳴ったら「すぐに起きる」か「ダラダラ起きる」か
『脳卒中、心筋梗塞、突然死を防ぐ101のワザ』(主婦の友インフォス情報社刊)の共著者で東京都健康長寿医療センター副院長の原田和昌氏によれば、「ダラダラ起きる」のが正解だとか。
「朝は寝ている間に体内の水分が失われているので、血液がドロドロになりがち。さらにストレスホルモンのひとつであるコルチゾールの血中量が多くなっているため、血圧が上昇しやすくなっています。この状態で急に起き上がることは心臓への負担が大きい。寝そべった状態で手や足先などを動かし、ウォーミングアップしてから起き上がるほうがいいでしょう。ダラダラしているように見えるくらいがちょうどいい」(原田氏)
●朝の歯磨きは「起きてすぐ」か「朝食後」か
起きてすぐに口の中をスッキリさせたい人は多いだろう。だが、原田氏は、起きてすぐの歯磨きには注意が必要だという。
「口に物を入れる時には副交感神経(体の疲れを回復させ、心をリラックスさせる自律神経)が優位になる。交感神経(緊張時やストレスを感じたときに心身を活発にする自律神経)が目覚めつつある朝に、いきなり歯ブラシを口に入れると自律神経がびっくりしてしまいます。自律神経の乱れは心臓への負担につながるのです」
歯磨きするなら、朝食をとった後のほうが得策だ。
※週刊ポスト2016年4月22日号