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仮面高血圧のリスクを見分ける血圧測定の5か条

 日本高血圧学会によれば、日本の高血圧者数は推定約4300万人。日本人の3人に1人の計算である。だが、うち約2000万人は「自分が高血圧」と自覚していない仮面高血圧患者の可能性が指摘されている。東京都健康長寿医療センター顧問の桑島巌氏が解説する。

「仮面高血圧はオフィスなどで血圧が上がる『職場高血圧』と、家庭で深夜や早朝に血圧が上昇する『早朝高血圧』の2つに大別されます。危険なのは後者です」

 早朝高血圧はさらに2つのタイプに分かれる。就寝中ずっと血圧の高い状態が続く「夜間持続型」と、寝ている間の血圧は正常だが起床後に急上昇する「早朝上昇型」だ。重病リスクが高いのは夜間持続型だという。

「就寝時間の分だけ高血圧の状態が続く。8時間睡眠だと1日の3分の1にもなるため、寝る時間が長い人ほど血管に与える負担が大きく、血管の詰まりを引き起こしやすくなる」(桑島氏)

 仮面高血圧を発見するためには、毎日、家庭で血圧を測り続けることが重要となる。家庭用血圧計は様々な種類が売られているが、上腕(二の腕)で測るタイプが最も数値が正確に出ると桑島氏は教えてくれた。

 さらに1日に朝と夜の2回、正確を期すためにそれぞれ1測定につき2回は測ることも重要だ。また両腕の血圧には開きがあり、10%以上の差が出ることもあるという。仮面血圧症を指摘された都内に住む高田実氏(65歳・仮名)が言う。

「私は左腕で測ってもらっていて、数値は上が125mmHgでした。ところが、右腕を測ると148mmHgだったことで、仮面高血圧が発覚しました。大動脈から分離した左側の鎖骨下動脈が詰まっていて、左腕の血圧が下がっていたのです」

 また「1週間測ってみて、血圧が上135mmHg、下85mmHgを超えることが2回以上あれば、仮面高血圧が疑われる」(桑島氏)ため、病院で受診することをお勧めするという。病院でリラックスして血圧が下がる人がいる一方で、多くの人は自宅にいる時にリラックスしているため、家庭血圧の方が病院などで測るより低くなる。基準値も低く設定されているので注意が必要である。

 以下の血圧測定「5か条」を参考に、自分の正確な血圧を把握し、リスクを避けてほしい。

【1】測定器は上腕式
【2】朝と夜の2回測定
【3】1測定に2回
【4】右腕と左腕の両方測定
【5】測定は心臓と同じ高さ

※週刊ポスト2016年5月6・13日号

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