国際情報

20年後か30年後に欧州は難民に乗っ取られるとの予測

EUはテロの危険に晒されている

 ヨーロッパの国のほとんどが、今ではEU(欧州連合)に加盟し、多くの国で通貨も統一されている。国境でのパスポート確認すらされない。しかしながらフランスやベルギーでは移民に紛れたテロリストがテロを起こすなどの事態にも発展した。これは、本当にヨーロッパが望んだ平和な未来をもたらすのか。ジャーナリストの落合信彦氏が、EUに待ち構える未来について解説する。

 * * *
 そもそもEU(欧州連合)は、1958年に発足した欧州経済共同体(EEC)と欧州原子力共同体(EURATOM)が前身だ。その後、ヨーロッパ共同体(EC)となりEUに至った。

 当初の参加国はフランス、ドイツ、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクなどだ。これらは比較的裕福な国だったから、それだけであれば今のような問題は起こらなかっただろう。ところが、ギリシャのような貧しくて汚職が蔓延しているような国々が資金融通を目当てに次々に加盟してから、綻びが見え始めた。

 EUは「来る者拒まず」で拡大を急いだために、将来どんな悲劇をもたらすかをまったく考えなかった。それが今、自滅の危機を招いているのだ。かつてイギリスの首相を11年務めたマーガレット・サッチャーをインタビューしたとき、彼女はこう語っていた。

「ヨーロッパは歴史的に戦争が多い大陸でした。1951年にウィンストン・チャーチルが2度目の首相に就いたとき、彼は『ヨーロッパでの戦争はこれで終わりにしたい』と語っていました。そのためにはヨーロッパが一つになることが重要だったのは事実です。

 1955年に彼が老齢で引退した後、3年後にできたのが欧州経済共同体と欧州原子力共同体でした。私は、これはおかしいと思いました。なぜなら、1949年にNATOができており、それによってヨーロッパの平和は保障されます。その上になぜ経済共同体が必要なのか。

 さらに、通貨がユーロになってしまいました。これはまったく余計なことです。貧しい国々と裕福な国々が手をつないで繁栄するなど、絶対に無理なのです」

 サッチャーは議会でEUへの加盟を迫られたとき、「ノーノーノーノーノー!」と5回もノーを繰り返した。それでも議会はEU加盟を選んだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン