「今日は○○の日です!」──毎朝、テレビ番組などで紹介されている、ニッポンのさまざまな記念日。各企業や業界団体などが、PRのために知恵をしぼり、さまざまな記念日を発案している。これらを「認定」しPRの手助けをしてくれるのが、一般社団法人「日本記念日協会」だ。
同協会によると、日本の記念日は約2400もあるという。そんななか、5月18日は、こ(5)とば(18)の語呂合わせから「言葉の日」とされている。誰が言い出したのかは定かでないが、出版社など「言葉」を扱う企業などがさまざまなイベントを仕掛けている。国語辞典『大辞泉』(小学館)も、そのひとつだ。『大辞泉』の板倉俊編集長が語る。
「国語辞典というとお堅いイメージがあることでしょう。現代では一般の方々の自由な言葉づかいや、新しいユニークな意味づけなど、その柔軟さに追いついていないと感じていました」
そこで『大辞泉』では、言葉の日の5月18日から、国語辞典に採録する語釈(言葉の意味)に、ひろく一般からの声を取り入れるキャンペーンを企画した。
題して「あなたの言葉を辞書に載せよう。2016」。【夢】【宇宙】【歌】【個性】【子育て】【上司】【昭和】【情報】【癒やし】【コンビニ】という10の言葉を編集部がピックアップ。自身がイメージするこれらの意味を投稿すると、優秀作は、アプリやweb辞書などでおなじみの『デジタル大辞泉』に掲載される。
「たとえば『馬鹿』という言葉。辞書には罵りの意味しか掲載されていませんが、現代では、男女間などで甘えの場面や、叱咤激励の場面で使われています。そんな言葉の多面的なイメージを寄せていただきたいのです」(同前)
この企画、今回で4回目。昨年は、以下の様なイメージが寄せられている。
【スマホ】我々を操っているもの。人間リモコン。(BANACIAさん)
【仕事】やればやるほど増えるもの。(のびたさん)
【アイドル】昭和では高嶺の花。平成では路傍の石。(jackさん)
「掲載されるのは、それぞれの言葉の〈補説〉の欄です。国語の専門家が書いた通常の語釈欄はそのままですから、辞書としての信頼性は保ちつつ、言葉の広がりを盛り込んでいきます」(同前)
今回はほかに、辞書に載っていない新語や、既に載っているが新しい意味が加わった言葉などを募集する「大辞泉が選ぶ新語大賞」キャンペーンも併催する。たとえば【王子】という言葉には最近、「その団体や分野などで実力・人気があり、容貌もすぐれた若い男性」という意味も加えられた。「ハンカチ王子」などに代表されるように、王族でないイケメンも【王子】と呼ばれることが増えたことによる加筆だ。
「あなたの言葉を辞書に載せよう。2016」のキャンペーンサイト(http://kotoba.daijisen.jp)などから投稿できる。全応募者から3名に「iPad mini 4」がプレゼントされる。「大辞泉が選ぶ新語大賞」は別サイト(http://daijisen.jp/shingo)から。こちらは毎月30名に月間賞「Amazonギフト券(500円分)」が、キャンペーン終了後、1名に大賞「同(1万円分)」が贈られる。詳しくはそれぞれのサイトで。