ビジネス

スタバやKFCがちょい飲み展開 いいところに目をつけた

スターバックス・イブニングスのHP

 仕事帰りに立ち寄り、お酒を一杯と少しのつまみで短時間で楽しむ「ちょい飲み」が広がっている。駅前の小さな立ち飲み屋で見られたこの業態が、今では全国チェーンの飲食店、ファストフード店でも提供されるようになった。話題の「ちょい飲み」の可能性について、経営コンサルタントの大前研一氏が解説する。

 * * *
 コーヒーチェーン店やファストフード店の「ちょい飲み」が話題になっている。「スターバックス」や「ケンタッキーフライドチキン」などが“仕事帰りに軽く1杯”の新業態を展開しているのだ。

 今年3月、東京・丸の内に日本1号店がオープンした「スターバックス・イブニングス」は、グラスワインが850~1200円、グラスシャンパン1400円、ビール800~850円、ラタトゥイユ650円、タルトレット380円(いずれも税抜き価格)という強気の価格設定だ。

「ケンタッキーフライドチキン」は高田馬場店が4月にリニューアルして昼はカフェ、夜はバルとなり、生ビールとクラフトビールが550~750円、オリジナルのハイボールが460円で、ワインやカクテル、サワーもある。

 つまみは、ぷりっと鶏もも肉の燻製が480円、生ハムとデンマーク産カマンベールの盛り合わせが580円、ソーセージ&角切りベーコンのジューシーグリルやチキン・コルドン・ブルーラタトゥイユ添えが680円(いずれも税込み価格)など、フライドチキン以外も充実している。

「ちょい飲み」は、もともと中華食堂「日高屋」や牛丼「吉野家」の「吉呑み」をはじめ、立ち食いそば「富士そば」の「ふじ酒場」、長崎ちゃんぽん「リンガーハット」の「ちゃんぽん酒場」、コンビニ「ミニストップ」の「cisca」、ハンバーガーチェーン「モスバーガー」の「MOSCLASSIC」などが続々と登場した。それが人気を集めているため、他の外食チェーンも追随しているのだ。

 これまでサラリーマンが仕事帰りに同僚や友達と飲みに繰り出す店といえば、居酒屋、焼き鳥屋、おでん屋などの赤ちょうちんが定番だった。しかし、思うように給料が上がらず(したがって小遣いも上がらず)消費を抑えざるを得ないため、少しでもリーズナブルに飲みたいという切実なニーズに「ちょい飲み」がマッチしたのである。現代サラリーマンの悲哀を如実に物語る現象と言えるだろう。

 そういう状況の中で、中高年おやじだらけの赤ちょうちんとは異なり、若い女性も抵抗なく立ち寄れるスタバやケンタで軽く1杯、というトレンドはアフターファイブの“真空地帯”を開拓するもので、いいところに目をつけたと思う。

関連記事

トピックス

岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン