国内

東京都議たちがいかに利権にまみれているかを大前研一氏指摘

舛添氏辞任で注目を集める政治とカネの問題

 辞任した舛添要一・前東京都知事の疑惑で再びクローズアップされた政治とカネの問題。国会議員や大きな自治体の首長にどうしても注目がいきがちだが、実際には都道府県議会や市区町村議会の議員たちのほうが後ろ暗いだろう、と経営コンサルタントの大前研一氏は指摘している。舛添問題と、これから始まる都知事選が、地方自治体と議会の実態を根本から作り直す契機になるか。

 * * *
(舛添氏よりも)むしろ“脛に傷を持つ”のは都道府県議会や市区町村議会の議員たちだろう。

 実際、私が1995年に東京都知事選挙に出馬した際は、都議たちがいかに利権にまみれているかという情報が、都庁職員からファクスで続々と届いた。

 たとえば、東京都の施設に設置されている自動販売機は1台1台すべて、都議ごとに利権が決まっていて、そのリストを送ってきた。あるいは、都立現代美術館が新設された時は、そこに展示する絵画や彫刻などの作品ごとに、それを納入する画商と口利きする都議のリストが送られてきた。業者への“口利き利権”を、与野党を問わず都議たちがあらゆる分野で分け合っている実態がそこにはあった。

 また、野党議員の中には、住民反対運動を利権にしている者もいる。つまり、自分の選挙区でビルやマンションなどの建築計画が立ち上がると周辺住民の反対運動を組織し、住民の“代弁者”となって施主や建設会社と交渉する。そして騒音対策費などの名目で補償金のようなものを獲得したら、それを住民と折半するという仕組みである。

 これらを全部ひっくるめると、地方議員がいかに利権まみれかがよくわかる。多くの議員は、叩けば山ほど埃が出てくるはずだ。この話は20年以上前のことだが、もし都議たちが今は違うと言うならば、都議全員の“総当たり制バトルロイヤル”で、お互いの利権の有無を追及し合えばよい。

 産経新聞(5月18日付)によると、都議の年収は1700万円超で、議会に出席すれば1日1万~1万2000円の“日当”も支給される。この報酬と月60万円の政務活動費などを合わせた127人の都議の“人件費”に、それを支える議会局職員約150人分の給与などを加えると、都議会維持費用の総額は56億円に上るという。

 なのに、今年3月の都議会では舛添都知事が提出した全議案を原案通り可決した。原案可決率100%という異常事態が、少なくとも3年以上続いている。要するに、都議たちは全く仕事をしていないのである。舛添氏の絵画や中国服の購買を追及する立場にないことは明らかだ。

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
ゆずりあい、ぶつからないように配慮するつもりがまったくない「どかないおじさん」がいる(イメージ、時事通信フォト)
新社会人が戸惑う「どかない系おじさん」 大柄な男性には場所をゆずり、女性が接触すると怒鳴り散らす
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン