芸能

『後妻業の女』主演・大竹しのぶ 怖い女の依頼に複雑になった

「後妻業という仕事もあり」という大竹しのぶ

 大竹しのぶ(59才)の迫真の演技が光る『後妻業の女』。この映画が描き出すのは、女の幸せの在処と高齢化社会の行く末だ。

『後妻業』は、高齢者の資産を狙った犯罪を題材にした黒川博行さんの小説。主人公の小夜子は、結婚相談所で効率的に相手を見つけ、次々に殺して遺産を自分のものにしていく。

『後妻業』が発表されて間もなく、京都では、小説とリンクするような事件が起こり、世間を騒がせていた。大竹さんもこの時期に、作品と出合っている。

「私は、もともと、本屋さんで『後妻業』を買って読んでいたのですが、あっ、これ、絶対映画になるなと思いました。ただ、主人公は自分の実年齢よりかなり上だったので、まさか自分が演じるとは思わなかった。ところが、これを映像化にしたいので小夜子をやってくれという依頼がテレビや映画から来て。えっ、なんで、みんな、そう思うの。こんな怖い女を私が? って、すごい複雑でした(笑い)」

 と言いながら、そこは根っからの俳優。脚本を読んで、一も二もなく役者魂に火がついた。

「原作はもうちょっとハードな感じですが、鶴橋監督の脚本はコメディータッチで、リアルとは少し距離があるので、面白いなと思いました。今の高齢化社会の問題を垣間見せながらエンターテインメントになっている。おじいちゃんを次々騙して殺しちゃう小夜子は、現実にいたら絶対許せないとんでもない女です。

 だけど、ものすごいポジティブ志向で、自分は絶対に幸せになる、何があっても私は大丈夫、人生をうまく生きてやるぞという女でもあるので、やっていて楽しかったですね。人を騙したりするところなんて、楽しくって」

 演じるのは30才から63才まで。ベッドシーンもあれば、キレッキレのツイストを披露する場面もあり、しかも関西弁。大竹さんが演じると、殺人者も「これなら騙されてもしょうがない」と思うほどかわいく、ときに哀愁漂う一人の女性となって迫ってくる。

「関西弁は難しかったですね。結婚していた人(明石家さんまさん)が大阪弁なので、得意だろうみたいに思われるけど(笑い)、もう離婚して25年たっています。一緒にいた時間も短かったし。

 共演者の豊川(悦司)さんも、(尾野)真千子さんも、(水川)あさみさん、(笑福亭)鶴瓶さんも関西出身なので、ちゃんと言わなきゃバレちゃいますからね。関西弁のおかげでシリアスな場面もユーモラスになり、救われるし、楽しめます」

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン