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【ドル円週間見通し】9月の米利上げ期待低下の可能性も

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が9月5日~9月9日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は上値の重い展開か。8月25-27日に米ワイオミング州ジャクソンホールで開催された経済シンポジウムでは、イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長やフィッシャー同副議長ら当局者から早期利上げにタカ派的な見解が聞かれた。このため、9月2日発表の8月米雇用統計が9月20-21日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)での政策判断に影響を与える指標として大きく注目される。8月31日に発表された8月ADP雇用統計がほぼ予想通りだったため、8月雇用統計も想定内になるとみられている。

 ただ、市場関係者の間では、FRBによる引き締めは「9月はあまり現実的ではない」(外為ディーラー)といった声が聞かれており、現時点では12月実施がメーンシナリオとみられる。このため、8月雇用統計が予想に沿った内容だった場合、5日(米国はレーバーデーの祝日のため、休場)以降の取引では、ドル・円は上値の重い展開となるだろう。

 一方、日銀の金融政策への思惑も広がりやすい。総括的な検証を踏まえ9月の追加緩和策としてマイナス金利の深掘りを模索しているとの見方が広がるなか、5日に予定されている日本銀行黒田総裁による講演(共同通信主催)での発言は注目材料となりそうだ。マイナス金利拡大の方向性が示された場合、金融機関の業績への影響から株安が見込まれるため円高に振れやすい。

【米・8月労働市場情勢指数(LMCI)】(6日発表予定)
 7月の労働市場情勢指数(LMCI)は+1.0と今年初めてプラスとなった。また、6月分も-1.9から-0.1に上方修正された。2日発表の8月米雇用統計と合わせ、労働市場の需給の引き締まりが示されれば連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ方針を後押しするだろう。

【日・4-6月期実質国内総生産(GDP)改定値】(8日発表予定)
 4-6月期四半期実質国内総生産(GDP)改定値は年率換算で+0.2%が見込まれている。下方修正された場合は、9月20-21日開催の日銀金融政策決定会合で追加金融緩和への期待が高まる見通しだが、市場がマイナス金利拡大を意識した場合、円高材料になる可能性がある。

・9月5日-9日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。

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