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元競輪選手がつくる14年以上待ちの「奇跡のパン」

『北鎌倉 天使のパン・ケーキGateau d’ange』の食パン

 注文してから、届くまでの時間をワクワク過ごすのもお取り寄せの醍醐味。とはいっても、モノによってはずいぶん長く待たされることも。何か月、いや何年も待っても食べる価値のある逸品たち。それらがあなたの手元に届くまでの物語とともにお届けします。

 家庭用オーブンで1日3時間かけてていねいに焼き上げ、食べた人が幸せな気分になれると評判なのが神奈川県鎌倉市の『北鎌倉 天使のパン・ケーキGateau d’ange』の食パン。

 1日に数斤しか作れないパンは“奇跡のパン”とも呼ばれ、手に入れるためには14年以上待つという。それには理由がある。店主・多以良泉己さんは元競輪選手。30才の時落車事故に遭い、高次脳機能障害、脳脊髄液減少症、左脚麻痺といった障害が残った。

「家でできることを考え、思いついたのはパン作り。食べた人から“癒される”“食べたら涙が出てきた”と言ってもらえた。やがて全国から注文を受けるようになりました」(妻・総子さん)

 体調によって作れない日もあるそうだが、心を込めて作り続けている。

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