ライフ

低所得者は高所得者に比べて転びやすく骨折も多い

低所得者は転びやすいというデータも

 9月19日、『NHKスペシャル 私たちのこれから「健康格差 あなたに忍び寄る危機」』(以下、『Nスペ』)が放送され、大きな話題を呼んでいる。

『Nスペ』では健康格差の例として所得と病気にかかる割合の関係性に重点を置いていたが、格差には他にもさまざまな要素が絡んでいる。

『健康格差社会』(医学書院刊)の著者で千葉大学予防医学センター教授、国立長寿医療研究センター部長の近藤克則氏らが取り組むAGES(愛知老年学的評価研究)プロジェクトでは、要介護認定を受けていない高齢者3万2891人を対象に調査を行なった。その結果、意外な事実が判明したという。

「低所得者は高所得者に比べて、転びやすいという結果が出たのです。実は海外でも同じような調査結果があり、スウェーデンの研究でも低所得者の人は高所得者の人に比べて2割も骨折が多いというデータがあります」(近藤氏)

 転倒する確率が高ければ、骨折しやすくなる。とくに高齢者の場合、「骨折リスク」は重大な意味を持つものだ。骨折による入院を機に運動機能や認知機能が大きく低下する事例は少なくなく、「一人暮らしの人の場合、“自宅に戻るのは無理だから施設を探しましょう”と医師にいわれることも多い」(都内で働くケアマネージャー)のだ。

“終の棲家”がどこになるのかが、一度の転倒で一変し得る。低所得者が転びやすい理由について、近藤氏は、「うつやそれに伴う身体活動量低下、栄養状態の悪さなどが考えられる」という。

※週刊ポスト2016年10月7日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン