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角居勝彦調教師 理想とする短距離馬と挑戦したい気持ち

調教師の角居勝彦氏

 中央GI勝利現役1位の角居厩舎が開業以来一度も出走させたことがないのが、1200メートルのGIだ。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、来年以降に向けて、短距離戦にも意欲を見せ始めた角居厩舎が理想とする短距離馬について解説する。

 * * *
 角居厩舎では血統的に中長距離の馬を多く預からせていただいています。その関係で、従業員教育など調教システムが短距離馬育成に向いていないのが短距離戦不出馬の主な理由です。それともうひとつ、調教師としての姿勢の問題もあります。

 たとえば、1600メートルでは引っ掛かってしまったから距離を短くするという考え方がある。たしかに有効な方法のひとつです。しかしそれは、こちらの調教技術として後退しているようで抵抗があります。馬の能力をしっかりと引き出す意味ではやや安易な姿勢ではないかという気がするのです。マイナス思考を少しでも排除したいんですね。

 ただし、プラスの発想ならば色気が出ます。「マイルで早めに切れて勝てたから、1400メートル、1200メートルでも面白い」というケースならば調教のやり甲斐がある。逆に短距離でも、道中をしっかりとタメて最後に切れるという調教技術が確立されれば、1200メートルでデビューした馬が距離を伸ばしていってマイルでも通用するということになる。

 そういう意味で理想的なのが豪州の名馬、リダウツチョイスです。

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