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運動中の死亡多いゴルフ 特にパッティングは危険との指摘も

ゴルフで「年間約130人が死亡」というデータも

「健康で長生きするためには適度な運動が不可欠」は一つの共通認識だろう。だが、果たして「適度な運動」とはどの程度のことなのか。知識もないままに闇雲に体を動かし続けた結果、かえって体を痛めてはいないか。

 長生きするための運動が、皮肉にも死を招くこともある。意外にも運動中の死亡例が多いのがゴルフで、「年間約130人が死亡」というデータもある。

 その8割以上が50歳以上で、死因別で見ると9割超を「心循環障害(心筋梗塞など)」と「脳血管障害(脳卒中など)」が占める(カート運転の転落や落雷などは含まれていない)。危険を伴う理由はゴルフの競技特性にあるようだ。聖マリアンナ医科大学の武者春樹・教授(スポーツ医学)がいう。

「シニアでもできる軽い運動という先入観と、長年やっているからという安心感のために、準備運動が不足していたり、いきなり斜面を駆け上がったりすることで心臓に急激な負担をかけることがある」

 また、大阪樟蔭女子大学健康栄養学科の石蔵文信教授からは、こんな指摘も。

「特にパッティングで極度に集中する時に血圧が高まり、その瞬間に脳梗塞などを引き起こすリスクがある。また、これはゴルフに限ったことではありませんが、勝敗やタイムを誰かと競ってムキになれば、普段以上の力を出そうとして血圧が急激に変化することがあります」

 競う相手は同伴競技者とは限らない。石蔵教授は「若い頃の感覚と現在の体力のギャップ」を挙げる。つまり、「昔の自分」をライバル視して「今も同じことができる」という勘違いが思わぬ事故を招くということだ。

 登山やハイキングでの事故の多くは滑落や遭難によるものだが、「“もっと遠くまでいけるはず”“これくらいの段差は飛び越えられるはず”という過信が原因。自分の力量が落ちていることを自覚できなくなっていることが多い」(ベテラン登山ガイド)という。

※週刊ポスト2016年11月18日号

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