ライフ

ヌーハラ考 日本人の麺の食べ方がヘタになっている面もある

麺をすする音は不快?(写真:アフロ)

 麺を食べるときに、周囲に不快な音を立ててすする「ヌーハラ」が話題になった。日本では例えばイタリアのように麺をすするときに無音でなければならないというマナーはない。だが日本人はみな麺をすする音を気にしないのか。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が指摘する。

 * * *
 先月、「蕎麦やラーメンをすする音は、外国人にとって不快であり、ハラスメントである」という「ヌードルハラスメント」──ヌーハラが話題になった。テレビの情報番組などがとりあげたことで話題になったが、このネタ自体はいわゆる”ヒマネタ”として消費されるレベルの話だ。ことの経緯は以下の通り。一般に認知されていない種類の「ハラスメント」をツイッターの1アカウントが「今まで製麺業界の圧力で隠匿されてきたヌーハラを暴きます」と提唱。そのツイートをニュースサイトが取り上げた記事が新聞のサイトに転載され、情報番組が放送する。絵に描いたようなメジャーメディアへの拡散が起きたという構図だ(経緯は「ITmediaビジネスONLINE『「ヌーハラ報道」に、目くじらを立てる理由』が詳しい)。

 上記記事では著者の窪田順生氏が「デマが起きる構造」について言及しているが、本稿では「『ヌーハラ』がそこまで拡散した理由」について、もうひとつ指摘しておきたい。それは「現代日本人が麺をすする音が不快だと感じる日本人は一定数いる」という事実である(11月30日、中国メディア「今日頭条」も「実は日本人自身もこれらの問題について意識している」と指摘したという)。

 もし日本人全員があの音を「快」だとするなら、今回の騒動はここまで拡散しなかったはずだ。特にソーシャルメディア上では「賛成」「反対」のどちらか一色に塗りつぶされるような言説は一瞬盛り上がるものの、鮮度落ちも早い。賛否がわかれるネタのほうが長く話題になり、結果としてニュースサイトやテレビなど、他メディアへと展開されるケースが多い。なぜ今回、「ヌーハラ」騒動がテレビにまで拡散したかというと、あの音を「不快」だと思う人が一定数いたからだろう。

関連記事

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン