投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の11月28日~12月2日の動きを振り返りつつ、12月5日~12月9日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇。1日には一時18746.28円と1月4日以来の水準を回復している。OPEC総会で減産合意がまとまるかが注目されるなか、8年ぶりに合意となり、原油相場が上昇。外国為替市場では円相場が1ドル114円台へと円安に振れたことが好感された。
米国では週末に雇用統計を控えていたが、前哨戦となるADP雇用報告のほか、ISM製造業景況指数等が堅調となるなか、堅調な結果により12月利上げを後押しするとの見方に。イタリアの国民投票を控えて週末には利益確定が先行するものの、メガバンクなどに対する海外勢の買いが継続。こう着ながらも売り込みづらい需給状況だった。
今週は雇用統計のほか、イタリアの国民投票の結果を受けたスタートになろう。イタリアの国民投票では、波乱の展開も意識されるが、市場ではブレグジット(英国のEU離脱)とドナルド・トランプ氏の次に来るのはイタリアとの見方もされている。既に警戒感が強まっているなか、乱高下があったとしても、その後のアク抜けが意識されそうだ。
次第に年末相場を意識した先高観が高まってこよう。トランプ物色が改めて強まる可能性があり、金融セクターなどの水準訂正の流れが強まる可能性がありそうだ。