投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が12月5日~12月9日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は、やや底堅い動きを見せることになりそうだ。今月13-14日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で1年ぶりの利上げ決定が見込まれており、日米金利差の拡大を意識したドル買い・円売りが入りやすい見通し。
また、トランプ次期政権が計画している経済・財政政策への市場の期待は持続しており、インフレ投資拡大などの景気刺激策による米経済成長予測や金利先高観がドル・円相場を下支えすることになりそうだ。2017年以降、年2回と想定される利上げペースが速まるとの思惑が広がった場合、ドル・円は今年1月以来となる120円台への上昇が視野に入りそうだ。
一方、石油輸出国機構(OPEC)加盟国・非加盟国の減産合意を受けて、原油先物は大幅に上昇しているが、WTIが1バレル=50ドルを大幅に上回ると米国内でシェールガスの生産量が増加するとの見方があり、需給関係にゆるみが生じる可能性がある。そのため、原油価格が50ドルを上回り一段高となる可能性については懐疑的な見方もあるようだ。また、米利上げは米国株にとっては売り材料になるとの声が聞かれており、利上げを意識して米国株が伸び悩んだ場合、ドルの上値はやや重くなる可能性がある。
【米・11月ISM非製造業景況指数(総合)】(5日発表予定)
米11月ISM非製造業景況指数(総合)は、10月実績の54.8を上回る55.2が見込まれている。同月のISM製造業が堅調だったこともあり、景況指数改善への期待は高い。予想をやや下回っても10月実績と同水準であれば、リスク回避的なドル売りを促す要因にはならないとみられる。
【米・12月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値】(9日発表予定)
9日24時発表の12月は今年5月以来の高水準となる94.1と予想される。11月は93.8だった。12月利上げに向け、市場コンセンサスを大きく下回らなければドル買い材料になるとみられる。
・12月5日-9日に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。