国際情報

トランプ勝利の理由 「ポリコレ疲れが出た」と木村太郎氏

トランプ優勢を公言してきたジャーナリストの木村太郎氏

 周囲の意見など一顧だにせず、暴れまくるトランプ大統領の出現。この男に象徴されるように、世界では続々と独裁者が出現してきている。この現象の背後では、いったい何が起こっているのか。

 トランプの勝利を当初から予測していたジャーナリストの木村太郎氏と国際政治学者の三浦瑠麗氏が語り尽くした。

──多くのメディアが米大統領選の予想を外したが、お二人は以前からトランプ優勢だと公言していた。

木村:当初はジョークだと思っていたんですが、実物を見てみると、もしかするとアメリカ人の本音を言っているのではと感じた。ちょうどその頃、あのマイケル・ムーアでさえ、「トランプが勝つ」と言い始めたんですよ。

三浦:私は親族がノースカロライナにいて、よく滞在するので、かれこれ13~14年、南部を中心にアメリカを見てきました。

 親族の住む町はプラハやドイツ系の移民の町で、質素なプロテスタントチャーチで礼拝する質実剛健な文化です。彼らがトランプを支持していた。「トランプ支持者は貧しい白人層」だとする報道に違和感をおぼえました。現実と報道が食い違っていたんです。

木村:トランプは現実を見て矛を収めるだろうという人がいますが、私は相当思い切ったことをやると思う。彼はブレない人です。

 今回の選挙は「ポリティカル・コレクトネス」(※注/政治的・社会的に正しく、差別・偏見が含まれていない言動)がキーワードだと思う。オバマの8年間はポリティカル・コレクトネスの押し付けが行き過ぎた。民主主義的な建前が息苦しくて、反発が起きたと言えます。

 トランプ大統領誕生で、公の施設にクリスマスツリーが立つといわれている。今までそれすら特定の宗教に寄って多様性を認めていないと批判されるからできなかったんです。「ポリコレ疲れ」が出たんですよ。

三浦:同感です。先日のCBS「60ミニッツ」のインタビューでも「200万~300万人の犯罪者不法移民を強制送還させる」と明言した。この数字は絶妙で、検証報道が立ち上がって議論になっている。すでに「不法移民の退去」が前提になっていて、犯罪歴のある移民の「数」が論争の中心になっている。トランプの術中にはまっているんです。私は天才的だと思う。

 移民問題でリベラル側の論点設定で誤っていたのは、「難民や移民は皆いい人たちだ」とした点です。

関連キーワード

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン