国内

祖父を虐待する毒親 娘には1日何十通のメールで束縛

祖父が亡くなりやっと母の呪縛から逃れられた…(写真/アフロ)

 嫉妬、裏切り、無視、侮辱…。人生の中で、辛い経験をした人は数多い。向井美千代さん(仮名、東京都・31才)もそんな一人だ。「自分を変える」ために、辛い経験を告白する。

〈前回までのあらすじ〉
 母親がいわゆる“毒親”に変貌したのは、私が小5の夏に、初潮を迎えたときから。少女から女に変わる娘に、殴る蹴るなどの暴力をふるい、生ごみや包丁が飛んできたことも。母との葛藤に疲れ、部屋に引きこもると、なぜか母は上機嫌。その代わり、同居しはじめた祖父の悲鳴が家の中に響くようになった。

 * * *
 祖母が亡くなった後、3人きょうだいの中でいちばん折り合いの悪かった母が、なぜ祖父を引き取る気になったのか、私は不思議でした。「専業主婦で時間にゆとりがある私が面倒を見ないで、誰が見るの」と、母は歌うように言っていましたが、はたしてあれが「面倒を見る」といえるものだったのか。

 祖父と私のために食事を作ることは、母のプライドになったようで、以前のように、私を食事抜きにするようなことはしなくなりました。

 が、もともと食べることに興味のない人の作る料理がおいしいわけがありません。上手下手の範囲を超えた、味覚オンチだったのだと思います。

 高校浪人して自室に引きこもっていると、祖父が母に見つからないようにやってきて、「いっしょにご飯を食べてくれ」と言います。母の「食べろ」の集中攻撃から逃れたいのです。大会社の役員まで務めた80才過ぎた祖父から泣きそうな顔で頼まれると、断れません。

 とはいえ、母の用意した食卓は、動物のエサか、それ以下でした。たとえば、夏に2日続けておでんを出して、ツンとするにおいがしても、「好き嫌いを言わずに食べなさい」と命令します。

 みそ汁に蝿が浮かんでいたので指摘したときは、よほど逆鱗に触れたのでしょう。「それはごまだから健康にいい。食べなさい」と言い張って、のみ込むまで席を立たせてもらえませんでした。

◆耳の遠くなった祖父を母は虐待した

 それだけではありません。母は祖父を虐待しだしたのです。冬の朝、私がトイレに立つと、パジャマ姿の祖父が、玄関で震えています。

「あんたなんか出て行け」と叫びながら、母が祖父に玄関マットやスリッパを投げつけるので間に入ると、私が平手打ちされました。狭い玄関で、よほどいいところに当たったのでしょう。「ピシーッ」という音ほど痛くなかったのですが、母は自分のしたことに驚いたみたい。

「私は悪くないから。お父さんが死んだ方がマシだと言うから、私は止めたんだから」

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン