スポーツ

「返し馬」の見方とは? 角居勝彦調教師が解説

角居勝彦調教師が返し馬の見方を解説

 競馬で馬場に出た馬は、どんな走り方をするのか、騎手との呼吸は合っているのか。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、「返し馬」の見方についてお届けする。

 * * *
 2017年の競馬が始まりました。ファンの中には金杯の結果で一年を占うという方もいるようですが、馬についていえば、縁起のいいのが「左馬」。「馬」が左右反転した将棋の飾り駒で、逆さ読みの「まう」が上昇運を期待できるそうです。人は必ず左から馬に跨がるので、競馬にもゲンがいいといわれています。

 さて、パドックを出た競走馬は地下馬道を抜け、本馬場に入って「返し馬」を行ないます。ときに馬場を逆行する返し馬は、どこか左馬を思わせるところが……。返し馬をしっかりと見れば馬券的な幸福(?)をもたらしてくれるのかもしれません。

 本馬場に足を踏み入れると、馬は本番モードに入って心拍数が上がります。

 とはいえ、「スタンドに人が大勢いて気合いが入る」とは思わない。歓声にもネガティブに反応し、拍手に応えるとか、スポットライトを浴びる快感とか、そういう感慨は馬にはありません。特にGIでは、馬の心身はピークで極度に神経質になっています。

 だからこそ走り出す。不安になると本能として走りたくなる。馬は走っていると落ち着くのです。騎手は馬の特性や心情を考え、それぞれの流儀で返し馬をする。

 本番のように鞍に座ってスッと走らせる騎手、モンキーで乗る騎手、いろいろです。昔と違って今はほとんど騎手任せです。新馬戦でよく見られる「合わせ返し馬」は、ほぼジョッキー同士の取り決めでしょう。

 ただし、場合によって調教師は騎手に指示を出す。「できるだけ気を乗せて」と、「かかりグセがあるから、ポンと下ろさずに落ち着けて」。私の場合はこの2通りだけです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン