WHO(世界保健機関)が推奨する1日の塩分摂取量は1日5g。ところが、日本人の塩分摂取量は約10~12gと、かなり多い。
現在、塩分摂取過多などが要因といわれる高血圧患者数は約1010万人といわれるが、健康診断などで高血圧と指摘されるなどの潜在的高血圧者数は約4000万人と推計される。
つまり、日本人の3人に1人は高血圧リスクにさらされており、高血圧はもはや国民病といっても過言ではない。
高血圧など循環器疾患に詳しい森下竜一さんによると、この塩分摂取過多は、多くの生活習慣病の要因となっており、それが私たちの人生の後半戦に暗い影を落としていると指摘する。
「それを象徴するのが、“平均寿命”と“健康寿命”の差。両者の間には男性で9.6年、女性で12.84年もの差があり、特に世界一平均寿命が長い日本の女性は、寝たきりなど医療・介護などの支援が必要な状態で、13年近くも不健康な晩年を過ごすことが多いというわけです。そうならないためにも、毎日の減塩や血圧管理は欠かせません」(森下さん)
「本邦の高血圧有病者推計数(性・年齢階級別)」(NIPPON DATA2010および2010年国勢調査人口より推計)を見ると、40才代は140万人、50才代は320万人、60才代は590万人。40~50代から女性は高血圧の割合が急増し、60代以降は、男性を上回っている。
ピンピンコロリをまっとうするためにも、日々のしょっぱい食生活改善が急務だ。
※女性セブン2017年2月9日号