投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の2月6日~2月10日の動きを振り返りつつ、2月13日~2月17日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇。週初は3日の米国市場が予想を上回る雇用統計の結果を受けNYダウが2万ドルを突破。また、トランプ大統領は、金融規制の緩和を指示する大統領令に署名したことを受けて、金融セクターを中心に上昇して始まった。
ただ、その後は欧米市場では、仏大統領選に向けた集会で、有力候補であるルペン氏が欧州連合(EU)離脱を公約に掲げたことから欧州株が全面安となるなど、欧州での政治不安が上値の重しに。トランプ政権に対する政策実現への懐疑的な見方から不安定な動きが続き、こう着感の強い相場展開に。しかし、週末にはトランプ政権への政策期待からNYダウは最高値を更新するなか、日経平均も19000円を回復。
日米首脳会談では「自動車問題はトランプ大統領の関心が高く、確実に議題になる」と報じられており、ハシゴを外される可能性などもくすぶる。いったんはポジションをニュートラルに戻す動きとみられるが、一段の上昇には慎重になりそうだ。また、インデックスに絡んだ商いが中心となるなか、中小型株は相対的に見送られる格好。
引き続きトランプ米大統領の発言のほか、政権の政策実現性等を睨みながらの相場展開になりそうである。決算発表が通過することもあり、年初以降の調整で割安感が意識されている銘柄等へは、見直しの流れが意識されてきそうである。ただし、需給面では3月期末を控え、機関投資家の動きづらい状況は変わらず。また、英国は3月にブリュッセルで開幕するEU首脳会議での離脱通知を目指しているとされ、改めて影響等を見極めたいとする模様眺めムードも強まりやすい。
とはいえ、ギャップ・アップで始まった日経平均は、これまでの抵抗として意識されていた、5日線、25日線、13週線のほか、一目均衡表の雲上限や転換線、基準線といった現在の抵抗を一気に突破しており、センチメントが大きく改善している。遅行スパンは年初の処に位置しているため上方シグナル発生には届いていないが、今週以降の突破が期待されてきそうだ。