投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の2月13日~2月17日の動きを振り返りつつ、2月20日~2月24日の相場見通しを解説する。
* * *
先週の日経平均は下落。週初こそ、前週末の大幅上昇の流れを受けて、節目の19500円を回復する場面をみせた。連日で最高値を更新するNYダウや原油相場の上昇が好感されたほか、日米首脳会談では、日本が名指しで通貨安誘導と批判されることはなかったため、円相場の落ち着きが好感された。その後はイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長証言に市場の関心が移るなか、注目された内容は「利上げを先送りするのは賢明でない」とし、「インフレ率や労働市場の改善が進めば、更なる利上げが必要になる」との認識を示した。利上げ観測の拡大を受け、金融セクター中心に幅広い銘柄に買いが先行する場面もみられた。
しかし、東芝<6502>の決算発表の1か月延期、3月末での債務超過への可能性から最悪の場合は東証2部降格が警戒されやすい状況に。これが、機関投資家の保有株放出、ヘッジ対応で先物への売り圧力が強まる格好となり、さらにインデックス売りを誘発することになる。
需給不安が強まりやすいなか、指数インパクトの大きい値がさ株などには断続的な売りが出ており、これが日経平均を押し下げる一因となった。その他、就任前のロシア大使との接触問題で、トランプ米大統領の国家安全保障担当補佐官を務めるマイケル・フリン氏が、13日に辞任するなど、トランプ政権への政策実行力への不安も積極的な売買を手控えさせたようだ。
今週も基本的には膠着感の強い相場展開が続きそうである。早ければ3月にも利上げする可能性があるというイエレンFRB議長の議会証言でのメッセージは、他の地区連銀総裁が14日から15日にかけて一斉に同様の見解を示したことでいっそう現実味が増してきている。22日に米FOMC議事録が公表されるため、この内容を受けて、より3月利上げに思惑が強まる可能性がありそうだ。