芸能

文太、松方、千葉、梅宮ほか『仁義なき戦い』シビれる名言集

松方弘樹もしびれるセリフを残した

 1973年1月13日、映画『仁義なき戦い』(深作欣二監督)が公開され、圧倒的な人気を呼んだ。シリーズ5作品は公開から40年以上が経った今も、ソフト化作品の人気がまったく衰えていない。その最大の魅力は、脚本家・笠原和夫が書き、男盛りの役者陣が魂を吹き込んだ「名セリフ」にある。

『仁義なき戦い』は、実際に起きた広島ヤクザ戦争の当事者である美能組・美能幸三元組長の獄中手記をもとに映画化された。戦後の日本を震撼させた抗争劇が、謀略や裏切りのエピソードと共に生々しく描かれる。

 第1作『仁義なき戦い』(1973年)は、山守組が誕生し、広能昌三(菅原文太)や坂井鉄也(松方弘樹)ら若者たちが力をつける中、老獪な山守義雄(金子信雄)の策略で、その多くが命を落とすまでを描く。

 第2作『広島死闘篇』(1973年)は、いわば番外編であり、広能が狂言回し的なポジションに下がり、山中正治(北大路欣也)と大友勝利(千葉真一)の2人の若者の対照的な生き方を軸に展開する。ストイックなあまり自死を選ぶしかなかった山中と、戦後派の代表として暴力の限りを尽くす大友は、シリーズにおける鮮烈な光となった。

 そして第3作『代理戦争』(1973年)と、第4作『頂上作戦』(1974年)で、激烈な抗争がクライマックスを迎える。関西の2大組織である神戸・明石組と神和会を巻き込んだ広島の勢力争いは、西日本のヤクザ地図を塗り替えるほどに重要な意味を持った。死者17人、逮捕者1500人という広島抗争は、何ら実りのないまま終焉し、広能も獄中の人となる。

 ここでシリーズは大団円を迎えるはずが、あまりの人気に『完結篇』(1974年)が製作された。脚本は笠原和夫から高田宏治に交代し、広能や武田明(小林旭)の世代から、後を引き継ぐ若い世代への襲名が大筋となった。そして全5作は、どこから切り取って観てもクセになる大傑作として今に名を残す。主要出演者のシビれる名ゼリフを振り返ろう。

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