国際情報

中国国防部 北朝鮮への軍事的侵攻の可能性を否定せず

中国は金正男暗殺に激怒 AP/AFLO

 金正男氏のマレーシアでの暗殺を契機に、中朝関係は「帰らざる橋」を渡ってしまったようだ。中国は北朝鮮産石炭の輸入禁止に踏み切り、北朝鮮は「中国との破局」に向け朝鮮人民軍の準備も始めた。北朝鮮崩壊が現実味を増しつつある中、中国はどのような計画を練っているのか。ジャーナリストの相馬勝氏がレポートする。

 * * *
 米CNNテレビによると、トランプ大統領は2月下旬、中国政府における外交問題担当トップの楊潔チ国務委員と会談し、北朝鮮の脅威に触れ、「北朝鮮指導者の金正恩は気が狂ったのか、賢いのか、それとも戦略的なのか」と語り、「あなたたちが北朝鮮問題の解決に向けて努力すべきだ」と中国が北朝鮮に圧力をかけるべきだと強調。そのうえで、トランプ大統領は北朝鮮の核兵器の脅威に対抗するため、「あらゆる必要な措置をとる用意がある」として対北武力行使や政権転覆の可能性にも言及したという。

 中国は、トランプ政権の対北政策の転換は織り込み済みだったが、トランプ大統領自らが対北武力行使など、中国にとっての「最悪の選択肢」に言及したことで、金正恩体制の崩壊も視野に入れた対策を検討する必要性に迫られているようだ。

 トランプ政権の対応を受けて、中国国防部報道官は2月下旬の定例会見で、米紙記者が「北朝鮮の崩壊に備えた中国軍の対応計画があるのか、米国とこれについて交渉する意向があるのか」と質問したのに対して、「中国の半島問題政策は一貫している」と述べたうえで、「現在(朝鮮)半島情勢が複雑で敏感であるため、関連各国は情勢の緊張を高める恐れがある行動を控え、ともにこの地域の平和・安定を守らなければならない」と語った。

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン