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犬の認知症は15~16才で35% 攻撃性が増すことも

認知症の犬は性格にも変化が

 高齢化が進む日本社会。それは人間だけの話ではなく、ペットの世界でも同様だという。高知県の愛犬家の主婦からはこんなお悩みが届いた

「わが家の柴犬は15才。最近、夜中に突然起きて鳴いたり、同じ場所をグルグル回ったり、性格も変わったような気がします。何かの病気なのでしょうか?」(高知県・ママ一年生、39才 主婦)

 そんなお悩みに、白金高輪動物病院総院長の佐藤貴紀さんがアドバイスする。

 * * *
 ペットフード協会の調査によると、平成28年度の全国の犬の飼育頭数は約987万8000頭。平成24年度と比べ、飼育頭数は減少傾向にある一方で、7才以上の高齢犬の割合は増えています。犬の平均寿命は年々延びており、医療現場では高齢動物の病気が課題になっています。

 特に近年多いのが「認知症」。ある調査では、11~12才では10%、15~16才では35%に行動の障害が見られたという報告もあり、加齢に伴い、その割合は高くなっています。

◆性格にも変化が! 認知症の症状とは?

 犬の認知症とは、どのような症状なのか。実際に見られる行動を例に挙げてみましょう。

●見当識障害
 方向感覚を失い、自分がいる場所がわからなくなる状態。通り抜けられないところを通ろうとしたり、壁の前でぼんやり立ち尽くしたり、こぼしたエサを見つけられないなどの症状が見られます。

●社会的交流の変化
 攻撃性が増し、吠えたりかんだりすることが増えます。感情のコントロールがうまくできない状態です。今までできていた留守番ができなくなるなど、行動にも変化が。

●睡眠サイクルの変化
 昼間はよく寝るのに、夜は寝ない。または1回の睡眠時間が短いなどの症状が。排泄行動にも変化が見られ、トイレの場所がわからなくなって失禁したり、しつけに従わなくなってきます。

●活動性の変化
 一点を見つめてボーッとしている時間が増えたり、反応が鈍くなります。食欲の増加、あるいは減少も見られます。

◆犬も不安を感じている。変化を感じたら病院へ

 これらの症状があれば、あくまで“認知症が疑わしい”ということ。大事なのは他の疾患が関与している可能性があるということです。高齢だから認知症だと決めつけず、いつもと違う行動が見られたら、まずは動物病院を受診しましょう。

 今までできていたことができなくなるのは、犬にとっても不安です。飼い主も愛犬も安心して過ごすためにも、早めに対処しましょう。

※女性セブン2017年4月27日号

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