投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が4月24日~4月28日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は弱含みか。23日投開票のフランス大統領選(第1回投票)の結果が注目される。単独で過半数票を獲得する候補者はいないと予想されており、欧州連合(EU)離脱を掲げる国民戦線のルペン党首と中道系独立候補のマクロン前経済相による決選投票がメインシナリオ。
現時点では5月7日の決戦投票でマクロン氏が大統領に選出される可能性が高いとみられており、ユーロ選好地合いが強まりそうだ。この影響でドルは対円で伸び悩む可能性がある。ただし、ユーロ買い・円売りの取引が拡大した場合、ドル買い・円売りが増える可能性はあろう。
マクロン氏が決選投票に進めず、急進左派・左翼党のメランション元共同党首とルペン氏が決戦投票に進出する場合、両者はEU体制に懐疑的であるため、ユーロ売りが強まるとみられている。リスク回避の円買い・ユーロ売りも強まる可能性があるため、ドル・円はやや下落する展開が見込まれる。
一方、トランプ米大統領はドル高や米利上げをけん制する見解を示していることは、引き続きドル売り材料となりそうだ。税制改革の早期実現への期待は持続しており、米国経済の成長持続を後押しするとの観測が広がれば、ドル買いが優勢となる展開もあり得る。ただ、米連邦準備理事会(FRB)による2017年の利上げは3回から2回になるとの見方が広がっており、地政学的リスクは除去されていないことから、リスク選好的なドル買いがただちに増える状況ではないとみられる。
【日本銀行金融政策決定会合】(26-27日開催予定)
日銀は26、27日に金融政策決定会合を開催する。27日15時半から黒田総裁が記者会見を行う。現行の金融政策が維持される公算だが、同時に発表される展望レポートでは2017年度の消費者物価指数(除く生鮮食品)の見通しが下方修正される可能性が高いとみられている。
【米1-3月期国内総生産(GDP)速報値】(28日発表予定)
28日21時半発表の1-3月期GDP速報値は、連邦公開市場委員会(FOMC)の6月会合に向け、景気判断の材料として注目される。足元では前期比年率+1.2%と伸びはやや鈍化する見通し。FRBによる利上げペースへの影響が懸念され、ドル売りを強める可能性もある。
・4月24日-28日に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。