注目のNHK朝ドラ『ひよっこ』で描かれる1960年代。東海道新幹線が開通し、東京五輪が開催。日本の経済は右肩上がりで、未来は希望に満ちていると信じられた。この時代を過ごした福島県の65才の女性が、想い出の「テレビ」を語る。
「当時の私は小学生でした。家にはまだテレビがなかったです。むしろ、テレビのない家が当たり前だった時代だと思います。ご近所のお金持ちのお宅にしかありませんでした。そのお宅にみんなで見せてもらいに行くというのが日課でした。縁側に町中の子供たちが集まるんですよ。そして、おばさんが障子を開けてテレビをつけてくれる。家の中に入れるわけではないんです。軒下の縁側の所にみんなが肘ひじをついて、真剣にテレビを見てました。『快傑ハリマオ』とか『月光仮面』とかだったかな。
学校が終わった後に見にいくので、テレビを見終わった後は、夕方の暗くなりかけた道を帰っていくことになるんです。お墓の前の道を通らなくてはいけなくて、薄暗いその道が怖くて、すごく長く感じてました」
※女性セブン2017年5月11・18日号