ビジネス

フジテレビ 村田諒太世界戦で果たした「亀田超え」

村田諒太の世界戦で密かに決意していたこと

 先日の決算説明会で「業績不振は明らかで、視聴率のアップと営業収益の改善が喫緊の課題」とフジ・メディア・ホールディングスの日枝久会長が話したとおり、低迷から抜け出せずにいるフジテレビ。ドラマもバラエティも低視聴率にあえぐなか、5月20日(土)の『村田諒太 世界初挑戦~ボクシングフェス2017 SUPER 2DAYS』は平均視聴率17.8%を記録した。フジテレビにとって、久しぶりの明るい話題だ。

 ロンドン五輪金メダリスト・村田諒太とWBAミドル級暫定王者・ヌジカムの世界タイトルマッチ中継は、瞬間最高視聴率で23.2%という高い数字を叩き出した。この結果に大喜びしているのはもちろん、フジテレビ関係者だ。

「久しぶりに日曜夕方の『サザエさん』より高視聴率の番組を出せました。会社が苦しい時期にも関わらず、村田諒太を、ボクシングを信じて中継を続けてきて、本当によかった。この先、村田の試合中継がフジテレビでできるかどうかはわからないですが、この高視聴率は素晴らしい試合を中継できたことの証明だと思います」

 プロデビュー後の村田には、日本人2人目のボクシング五輪金メダリストがプロでも世界チャンピオンになるための強力なバックアップ体制がとられていた。電通、フジテレビ、帝拳プロモーションに、パッキャオなど世界的ボクサーのマッチメイクを担当する米国のトップランク社など、世界でも一流のスタッフが集まりプロジェクトをすすめ、その集大成が20日のWBA世界ミドル級王座決定戦だった。このプロジェクトはいったん終わるため、今後も引き続きフジテレビが村田の試合中継を続けるかどうかは未定だ。

「世界タイトルをとれなかったことは残念ですが、欧州でも放送された試合は高評価で、村田の世界タイトルマッチがまた組まれるのは間違いないでしょう。もうテレビで世界タイトルマッチ中継しても、そんなに見てもらえないかもしれないという不安もあったのですが、真剣勝負の面白さは不滅で、多くの人が関心をもって見てくれることがわかりました。会社もきっと、中継を続けようとゴーサインを出すはずです」(前出・フジテレビ関係者)

 ボクシング関係者がこの中継を前に、口には出さないがかなり意識していた番組があった。無料インターネットTV「Abema TV」が1周年記念企画として5月7日(日)に放送した『亀田興毅に勝ったら1000万円』だ。視聴者数が1420万人にもおよびサーバーが落ちて中継が見づらくなるほどで、後日、亀田みずから「視聴率40%級」というほどの反響を呼んでいた。

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン