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日本一予約難しい料理教室の講師 弱火料理がウマい科学的根拠

弱火調理で外はパリッと、中はジューシーに

 チキンソテーは、強火で一気に焼くと焦げやすい上、急激な温度上昇で肉の細胞が縮まってパサパサに。さらにふたをして蒸し焼きにすると、加熱しすぎて硬くなる。弱火でじっくり火を通せば、外はパリッ、中はジューシーに仕上がる。

 料理科学研究家の水島弘史さんのフレンチの経験を生かした料理教室は、2か月先の予約が1分で埋まり、日本一予約が難しいといわれる。

 フレンチのシェフ時代は当たり前だったことを料理教室で教えたところ、斬新なロジックとおいしさが話題になった。中でも代表的なものが、弱火でじっくり加熱する方法。

「厨房では、1人で10個以上の鍋を同時に担当するのが当たり前。弱火で調理すれば焦げる心配が少なく、加熱中は他の作業も進められるので、効率的なんです。弱火調理は、時間がかかると敬遠する人もいますが、実は段取りよく、失敗なく進められるんですよ」と水島さん。おいしく仕上がる科学的根拠も。

「例えば、肉は生きている際の体温を超える45~50℃で筋繊維が収縮します。急速に高温加熱すると細胞が縮み、水分やうまみが外に出てパサパサに。ゆっくり温度を上げ、ふっくら仕上げるための適温を弱火でキープするのが、理にかなった方法なんです」

 慣れるまでは「ちょっと面倒」と思うことも、理論に裏付けされているので覚えやすい。できあがりは「今までの料理はなんだったの!?」というおいしさだから、一度作ったら昔の常識には戻れない! 以下で紹介するのが水島メソッドだ。

●肉は冷たいフライパンに置く
 強火で急激に加熱すると、身が縮まって硬くなり、アクやくさみが出る原因にも。肉をフライパンに置いてから火をつけ、弱めの中火でゆっくり火を通す。ジューッという音が100℃超えのサイン。

 パチパチと油がはね始めたら、皮目に焼き色がつく180℃。弱火にして温度を保つ。肉から出る脂や水分を拭きながら焼くと、外はこんがり、中はジューシーに。

 温度をキープすることで中まで火が通るので、片面が7割程度白っぽくなるまで裏返さない。蒸し焼きは加熱のしすぎと、外側がベチャッとなる原因に。

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