ライフ

【書評】永六輔の「六本木グループ」で一番才能があった喰始

【書評】『ワハハ本舗を創った男 喰始を語る』/タマ伸也・著(聞いた人)/ロフトブックス/1600円+税

【評者】坪内祐三(評論家)

 喰始というまさに人を喰った名前の人の存在はずいぶん前から知っていた。何しろ『巨泉×前武ゲバゲバ90分!』の放送作家の一人だったのだ。一九六九年放映開始の番組だから喰始はまだ二十一歳か二歳の時だ。以降、『カリキュラマシーン』、『コント55号のなんでそうなるの?』、『ひるのプレゼント』、そして萩本欽一の『全日本仮装大賞』。舞台の人としては東京ヴォードヴィルショーやワハハ本舗。

 そのつながり具合が、永六輔、高田文夫、佐藤B作、高平哲郎、河野洋、柴田理恵、梅垣義明、佐藤正宏、久本雅美ら二十三名の聞き書きである本書によって初めて明らかになった。

 喰始がそもそもこの世界に入るきっかけを与えたのは永六輔だった。若き日、三木鶏郎の元にいた永氏はトリロー工房をまねたアジールを作った。つまり六本木の中心、アマンドの裏にアパートを借りて、そこを自由に使ってくれといって、キーを渡した。自由に、ということは、そば屋の出前も自由にとって良しということだ。

 そこに集まって来た若者「六本木グループ」の中で一番才能あったのが喰始だ。若き日の高田文夫が永六輔の元に弟子入り志願し、断られたことは高田氏が何度も書いているが、実は「六本木グループ」が解散した直後だったのだ。

関連記事

トピックス

大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン