国内

通院時間を短縮できる遠隔診療、慢性疾患にも向いている

遠隔によるセカンドオピニオン外来を行う岩井整形外科内科病院・副院長の古閑比佐志さん

 スマホやパソコンなどの通信機器を通じて、医療サービスを医師が行う「遠隔診療」。離島などでの医師不足の救世主として登場したこのサービスは、今、都会で忙しく働く会社員や、診療時間外の乳幼児の医療相談などへと広がっている。

 東京都港区六本木にある『新六本木クリニック』は、遠隔診療向けアプリ『CLINICS』(メドレー社)を2016年2月に導入。以来、300人以上の患者が遠隔診療を利用している。

 院長で、精神科医の来田誠さんは、遠隔診療のメリットは、通信機器さえつながれば、自宅はもちろん、会社や出張先など、患者の居場所に制限がなくなることだ、と言う。

「通院するには、移動時間も含めて半日近くの時間を要することもあり、忙しいビジネスパーソンが平日の昼間に通うのは難しい。その点、オンラインを使った遠隔診療なら、移動時間は不要なので、診療時間+前後5分ほどを確保すればいいわけです。仕事の合間に15分程度、ひとりになれる場所があれば、そこでスマホやタブレットのテレビ電話機能を使って診察が受けられます。生活習慣病など、継続を要する治療を、仕事で多忙でも中断することなく続けられるので、効果が得やすくなります」

 これまでに、会議室で、移動中に車を止めて車中で、さらには、旅行中にも遠隔診療を受けた人がいるという。

◆症状が安定した慢性疾患に向いている

 遠隔診療は、離島やへき地など、医師による直接の対面診療を受けるのが難しい地域において、対面診療と組み合わせながら行われるなど、限られた場合のみに行われていた診療スタイルだったが、2015年8月、厚生労働省が出した通知により、遠隔診療の対象は、「離島やへき地の患者に限らない」と明言された。この通知では、糖尿病、喘息、高血圧、アトピー性皮膚炎など9種類を適用疾患の例に挙げている。

 東京都町田市で訪問診療を中心に行っている『おおぞら会つばさクリニック』は、「遠隔診療ポケットドクター」(MRT社・オプティム社)というサービスを利用して遠隔診療を導入し、約1年になる。現在は十数人の患者が利用しており、院長の鈴木智広さんはこう話す。

関連キーワード

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン