ビジネス

JAL機体の3割は「中国の工場」で整備されていた

トラブルの起きた路線は4月に就航したばかりだった(写真:時事通信フォト)

 ひとたび事故を起こせば、多数の乗客の命が危険に晒される。それだけに飛行機には日々、入念な点検・整備が行なわれており、とりわけ日本のエアラインは高い安全性で世界的に評価されてきた。だが、JAL機エンジン火災事故を取材する過程で、重大な懸念が浮上した。

〈高い運賃を払って日本の航空会社を利用するのは、“安心”を買っているようなもの〉──こうした評価が成立してきたのは、日本人による丁寧なメンテナンス、いわゆる“日本品質”への信頼があったからだ。

 その信頼に疑問を生じさせているのが、9月5日のJAL機エンジン火災事故である。午前11時過ぎに羽田空港を離陸したニューヨーク行きのJAL6便は、2つある主翼エンジンの1つから突如、出火し、約1時間後に羽田に緊急着陸を余儀なくされた。

 離陸の際、乗客が感じたのは5回の「ガーン」という轟音と何かに乗り上げたような衝撃。エンジン内部では、タービンにある222枚もの羽根が破損していた。国土交通省の担当記者が振り返る。

「国土交通省は翌日、《発動機の破損に準じる事態》として重大インシデントに認定しました。つまりは乗員・乗客248人とともに『墜落の危機にあった』といっているに等しい」

 当該のボーイング777型機に取り付けられていた巨大エンジンは米GE製。国交省は現在、米国の調査機関と連携しながら原因究明を進めている。

 専門家の間でも「エンジンの製造不良」や「整備不良」など様々な可能性が指摘されている。そうしたなかで気がかりとなったのが、「日本の航空会社は中国の下請け企業に整備を任せている」──という情報があったことである。調べを進めると、確かにその通りだった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
《盗まれた約1000万円の“純金茶碗”は見つかったが…》オモテの世界では売買できない盗難品を扱う「盗品マーケット」の実態
《盗まれた約1000万円の“純金茶碗”は見つかったが…》オモテの世界では売買できない盗難品を扱う「盗品マーケット」の実態
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン