国内

1日1400kcal、栄養バランス良くても糖尿病になる高齢者も

食事と運動に気をつけていても糖尿病になる高齢者も(写真/アフロ)

 53才のN記者(女性)。父の急死で突然、80代の認知症の母を支える立場になった。今まで大きな持病もなく、健康診断で常に優秀な数値を誇っていた母の血糖値が上がった。中高年なら、ツラい食事制限も強いられる糖尿病の兆候。せっかく食べる楽しみが復活したばかりなのに…。N記者が高齢者と糖尿病についてリポートする。

 * * *
 母は認知症こそあるが、体はいたって健康。ぽっちゃり体形、顔もふくよかで、いつも年齢より若く見られる。そんな母も父の急死から約1年半に及ぶ独居で激やせし、認知症の症状も噴出。私は激昂と消沈を繰り返すばかり。母娘のつらい時代だった。

 そして3年前、新天地のサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)に転居。食堂で作ってもらう食事を大勢で楽しく囲むようになると、みるみる元のふくよかな母に戻り、物盗られ妄想などの認知症症状も不思議なほど消え失せた。

 母の快調は毎月の内科の健診結果にもあらわれた。

「いいですよ~、血圧も安定しています。こちらでの生活を楽しんでいらっしゃるのね」

 母の主治医は中年の品のいい女医さんで、お顔も声も女神様のようにやさしい。

「いいですよ~」とにっこり微笑みながら言われると、なんだか満点を取ってほめられた子供のような気分になる。

「はい。楽しく暮らしております。先生にお会いするのが楽しみだからまた来ますね」

 と、母も満面の笑みだ。ところが転居から2年目、昨年の健診で思いがけない数値が出た。

「血糖値が高いですね…。糖尿病になっちゃいました」

 いつもの女神のやさしい声ながら、母にプレッシャーを与えないようにという配慮が交ざった妙な言い回しだった。

関連キーワード

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン