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旬のながいも 酢水で手を濡らして調理してかゆみ防止

旬のながいもの『とろろ汁』

 秋が旬の「ながいも」は独特のねばりをもつヤマノイモ科の根菜で、中国が原産とされる。「やまといも」も同じグループに属する。

 大部分は北海道と青森をはじめとする東北地方で生産され、収穫時期は春と秋の2回。秋掘りのながいもはみずみずしく、新じゃが同様に皮が薄いので、ひげ根を火で軽くあぶれば皮ごと食べられる。春掘りのものはうまみも成分も熟成されたおいしさがある。

 ながいも類には消化酵素のアミラーゼなどが多く含まれ、米などでんぷんを含む食材の消化を助ける働きがある。また、ながいもには「ディスコリン」というたんぱく質成分が含まれており、これには特定の型ではあるが、インフルエンザウイルスの活性を抑える効果のあることが判明している。「ディスコリン」は血糖値を下げる働きもある。

 ちなみに、ながいもの皮をむくと手がかゆくなることがあるが、これはシュウ酸カルシウムの結晶が皮膚の薄い毛穴などに入って反応を起こすため。シュウ酸カルシウムの結晶は酸に弱く溶解するので、手を酢水で濡らしてから調理すると、かゆみをかなり防ぐことができる。

 家庭料理研究家の松田美智子さんは、ながいもについてこう話す。

「ながいもの汚れは水で洗わずに、キッチンペーパーで拭き取るのをおすすめします。そもそも店頭に並んでいるものは泥がほとんどついていません。水で濡らすとぬめりが出ますし、皮がむきにくくなります。皮付きのまま使う場合でも拭き取るだけで充分。皮はピーラーをお使いになると、手早くきれいにむけます」

【ながいもの準備】
 ながいもは、丸のままなら表皮の色が肌色で張りと艶があり、ふっくらと太くまっすぐ伸びたものを選ぶ。ひげ根はなるべく少ない方が下処理がラクだ。表面に黒っぽいしみが出ているものや傷のあるものは避けること。

 カットされたものを購入する場合は、太く、切り口が白くみずみずしいものを。切り口が変色しているのは鮮度が落ちている証拠。また、細いものや首に近い部分のものはアクが強い傾向がある。

 調理する際には、水で洗わず、乾いたままキッチンペーパーで拭く。皮ごと使う場合は、ひげ根もていねいに抜くこと。保存する場合はぴっちりとラップして冷蔵庫へ。

■『とろろ汁』のレシピ
【1】ながいもの皮をむき、すり鉢のヘリで好みの粗さにする。
【2】だし汁1カップ、煮きり酒大さじ3、塩小さじ0.5を加えて味見し、薄口しょうゆ大さじ1.5で調える。
【3】好みで麦ご飯にかけ、青のり、さらしねぎ、白ごま、一味唐辛子等をあしらう。

※女性セブン2017年10月19日号

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