国際情報

中国のSNS 警官を侮辱したりテロ組織に勧誘すると逮捕される

感情のおもむくままに行動するのは危険

 豊かになったのは間違いが、暮らしやすい社会かと言われればそうとは言いにくいのが実情のようだ。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏が指摘する。

 * * *
 中国版LINEとも呼ばれる「ウィチャット=ウェイシン(微信)」。中国のテンセント(騰訊)が提供するスマートフォンユーザー向けメッセージングアプリである。一説には12億人が利用しているともされ、中国ではスマホユーザーの実に9割がインストールしているともいわれる。

 先行していた新浪の提供する「中国版ツイッター」、微博(ウェイボー)と合わせて中国では人々に欠かせないコミュニケーションツールとなっている。

 だが、かねてから指摘されるように習近平政権下のメディアに対する締め付けは厳しく、この波がいよいよ伝統メディアの枠を超えて個人間のコミュニケーションにまで及んでいることを思わせる事象が連続して起きた。

 まずは中国ネット管理部門が国内でSNSや掲示板サービスを提供する代表的企業・テンセントや百度(バイドゥ)など3社に対し、「情報管理が不徹底」だとして罰金処分にしたことだ。8月25日のことだが、当局は続く流れの中で「グループチャット内での監視の強化」も視野に入れていた。

 そして30日、『人民日報』は、〈「グループチャット」内で三文字を発信! 女性はそれで行政勾留 たとえ仲間内の会話でも注意が必要〉という記事を配信した。

 中身は、一人の女性ドライバーが駐車違反をして罰金を科されたことに怒り、警官を侮辱する「三文字」をグループチャット内で発信し、それを見た交通民警が地元公安分局に通報。最終的に女性ドライバーが罰に処せられたというものだ。中国には「中華人民共和国治安管理処罰法」というのがあり、法律で警察を侮辱し悪辣な影響を与える行為を禁じている。その第26条に違反に相当するというのだ。

 また同じように9月4日には北京の張強という若い男性が友達とも会話の中で、ふざけて「オレと一緒にISISに入ろう」と書き込んだところ逮捕され、最終的に9カ月の刑を言い渡されたことも紹介されている。

 まあ、経済発展している一方で息苦しい空間も広がっている中国の実情がよく伝わってくる話だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン