ビジネス

ラブホテル進化 女性向けアメニティは高級外資ホテルを凌ぐ

女性から支持を受けるホテル(HOTEL&SWEETS FUKUOKA)

 男女の密会場所として、身をひそめるようにチェックインする──。そんな淫靡な雰囲気の漂う「ラブホテル」がすっかり様変わりしている。近著に『ホテル評論家が自腹で泊まる! 最強のホテル100』(イースト・プレス刊)があるホテル評論家の瀧澤信秋氏が、「レジャーホテル」の呼称で進化するラブホテルの最新事情を報告する。

 * * *
 ホテルには様々な業態がある。シティホテルやビジネスホテルは定番のカテゴリーであるし、昨今はカプセルホテルも注目を集めている。共通するのは宿泊施設という点であるが、少し異色なのがラブホテル。近年ではレジャーホテルという呼称が一般的で、代表的な業界団体も日本レジャーホテル協会といった名称だ。

 シティホテルであろうがレジャーホテルであろうが、宿泊を業として営むためには旅館業法の許可が必要。同法では、ホテル/旅館/簡易宿所(カプセルホテルなど)/下宿と区分されており、レジャーホテルはホテルや旅館カテゴリーとして申請される。

 加えて、自動精算機や玄関等の遮蔽、回転・振動ベッド、特定用途の鏡といったレジャーホテル特有の設備を設ける場合には風営法(風俗営業法)の届け出も必要だ。店舗型性風俗特殊営業第4号営業に該当、通称「4号営業ホテル」といわれる。

 現在、4号営業の新規許可取得はほぼ不可能といわれており、4号営業ホテルを営もうとする場合、ホテルを所有する法人売買等の形でオーナーチェンジが行われる。

 他方、立地や料金システムなど一見レジャーホテルだが、スタッフが堂々と立っているフロントがあり、鍵の受け渡しや料金精算など対面で行う施設が見受けられる。風営法で規定されるような設備はなく、こうしたホテルは風営法・政令等の規定から外れ、詳述は避けるが法令改正の変遷から「新法営業ホテル」といわれる。

 前置きが長くなったが、インバウンド需要を主因とする一般ホテルの活況、コンセプト化が伝えられて久しい中、レジャーホテルの進化も目を見張るものがある。そのひとつが、レジャーホテルの一般客取り込みだ。ホテル不足の受け皿になるべく、有名ホテル予約サイトもレジャーホテルの取り扱いをスタートさせ話題になった。

 新法ホテルならばより一般ホテルに近いといえるが、レジャーホテルの進化という点に着目した場合、4号、新法に限らず注目のホテルは多い。このところのレジャーホテルでブームのコンセプトといえるのが、リゾート感を打ち出すレジャーホテルだ。

 レジャーホテル業界で高名な有名店といわれるのが「ウォーターホテルS国立」。筆者の新著『最強のホテル100』でも紹介しているが、ホテルとしてのクオリティは、インルームダイニングも含め外資系デラックスホテルにも匹敵するレベルだ。

 リゾート感といえば「現代楽園」も人気のホテル。レジャーホテル特有の余計な装飾やデコラティブなイメージを廃し、シンプルかつ質感の高い空間に仕上がっている。同ブランドは大和や町田にも展開するが、最新のフラッグシップ店である高崎店は特に人気。

 レジャーホテルといえば、“はめ殺しの窓”など外部と遮蔽した暗いイメージもあるが、前述のウォーターホテルS国立も含め、オープンエアスペースを多用し開放感抜群だ。

 一方、レジャーホテルならではの突出したコンセプトを打ち出すホテルもある。

関連記事

トピックス

伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
総理といえど有力な対立候補が立てば大きく票を減らしそうな状況(時事通信フォト)
【闇パーティー疑惑に説明ゼロ】岸田文雄・首相、選挙地盤は強固でも“有力対立候補が立てば大きく票を減らしそう”な状況
週刊ポスト
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン