投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が4月23日~4月27日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は上げ渋りか。米経済指標や株価、長期金利の動向などが手がかり材料になりそうだ。目先的にドル・円は108円台の回復が見込まれるものの、この水準でドル上昇が一服した場合、心理的に重要な節目である110円の回復にはかなりの時間を要するだろう。
チャート上では、日足の一目均衡表で基準線が下げ止まり、上向きに変わる可能性がある。4月第3週のドル・円は107円台で底堅い値動きが目立った。足元の経済指標では、住宅関連指標で個人消費の強さが顕著となり、27日発表の米1-3月期国内総生産(GDP)速報値で拡大基調が維持された場合、ドル買いが強まりそうだ。
一方、日米首脳会談でトランプ大統領は対日貿易赤字の是正に取り組む考えを示しており、日米両国は新たな貿易協議を開始することで合意した。米国は円安誘導策などを強くけん制するとみられていることから、日本銀行の金融政策が注目される。日銀は現行の金融緩和策を長期間維持すると予想されているが、足元で原油価格は上昇を続けており、この影響で消費者物価コア指数は今年後半にかけて1%台前半まで上昇する可能性がある。インフレ率の緩やかな上昇予想を受けて、日銀は円安誘導的な金融緩和策を見直し、国債買い入れ額の段階的な減額などについて検討を開始するかどうか注目される。
【日本銀行金融政策決定会合】(26-27日開催予定)
日銀は26-27日に金融政策決定会合を開催し、現行の金融政策維持を決定する見通し。米国が対日貿易赤字是正に意欲を示すなか、現行の金融緩和策を長期間継続できるかどうか、27日に行われる黒田日銀総裁の記者会見が注目される。
【米1-3月期国内総生産(GDP)速報値】(27日発表予定)
27日発表の1-3月期国内総生産(GDP)速報値は、2017年10-12月期の前期比年率+2.9%を下回り、同比+2.1%程度にとどまる公算。ただ、3月小売売上高は個人消費が順調であることを示唆する内容だったことから、1-3月期のGDP成長率は市場予想を上回る可能性もあろう。
・4月23日-27日に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。