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南海、近鉄、阪急の野次合戦 ダミ声の元応援団長が語る秘話

元阪急応援団長の今坂喜好氏

「お~い門田、豚まんや! こっち来~い、一緒に食べよぉ~!」──小太りの門田博光(元南海ホークスの主砲)に豚まんという組み合わせが笑いを誘う。今も語り継がれる伝説の野次だ。かつて、南海、近鉄、阪急の関西私鉄3球団のファンによる野次合戦はパ・リーグの野球を大いに盛り上げた。

 その1人が元阪急ブレーブス応援団長の今坂喜好氏(73)。小4で阪急ファンとなり、中学を卒業後、応援するために阪急電鉄に就職したという猛者だ。

「このダミ声は野次を飛ばすために作ったものですわ。21歳で応援団長になったとき、声に特徴を出そうと、来る日も来る日も河原で血を吐くまで大声を出して喉を潰しました」

 そうやって作り上げた声で選手にゲキを飛ばすが、そこにはルールがあるという。

「昔の応援団は内野席に陣取った。もちろんトランペットもなく、西宮球場なら一塁側のベンチ上の特設ステージから野次を飛ばす。相手の応援団長が三塁側にいて、言葉のキャッチボールをするんです。

 野次といっても野球本来の楽しみをそぐようなものはNG。たとえば“悔しかったら阪急沿線に住んでみ~”と投げると、“近鉄電車は2階建てやぞ~”と返ってくる。相手チームのファンも笑ってくれて、グラウンドの選手が苦笑いしてくれたら勝ちですわ。試合後に相手応援団と反省会をやってましたからね」

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