ビジネス

コンビニ専念のファミリーマートに待ち受ける「3つの課題」

サークルKサンクスとの統合で規模拡大を狙ったが…

 総店舗数がじつに5万5000店を超え、いよいよ飽和状態が鮮明になってきたコンビニエンスストア。今後は新しいサービスや商品を増強し、既存店の売り上げをいかに伸ばしていくかの戦いに入りそうだが、そんな中、大手コンビニチェーンの一角であるファミリーマートの動きが慌ただしい。ジャーナリストの河野圭祐氏が“ファミマ”の今後を占う。

 * * *
 ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)は、懸案だった総合スーパー(GMS)のユニーを経営から切り離す決断をした。

 ディスカウントストアで勢いに乗るドンキホーテホールディングスがユニー株を100%取得して完全子会社化。一方でユニー・ファミリーマートHDもドンキホーテHDに20%出資することで持ち株会社を解消し、社名を変更する予定。資本関係をすっきりさせることで、今後ファミマはコンビニ事業に専念したい意向だ。

 周知のようにファミマはユニー傘下のコンビニだったサークルKサンクスを飲み込み、間もなく看板の片寄せ作業も終了する。だが当初、店舗数の単純合算ではセブン‐イレブン・ジャパンに肉薄し、ローソンを突き放すものだったが、統合が進む現状を見るとセブン‐イレブンとの差は広がり、ローソンには差を詰められているのが実態だ。

 ファミマとサークルKサンクスの国内総店舗数(エリアフランチャイズを含む)は、昨年8月末時点で1万7921店。それが今年8月末には1万6720店、来年2月末の計画でも1万6854店と微増にとどまる。

 ちなみにセブン‐イレブンは今年8月末で2万596店、来年2月末の計画で2万960店。ローソンは同8月末で1万4310店、同2月末の計画で1万4792店となっている。ファミマ陣営は、規模を求めてサークルKとサンクスと統合しても、結局、不採算店舗の閉鎖が多かったという表れだ。

 また、新店・既存店を合わせた1店舗当たりの平均日販も、セブン‐イレブンが66万6000円なのに対し、ファミマは53万4000円、ローソンが53万7000円(いずれも今年8月末時点)と、依然としてセブン‐イレブンとの差は開いたままだ。また今年2月末との比較でも、セブン‐イレブンは平均日販を上げたものの、ファミマは下げている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン